エフエムTARO 2023 放送内容
エフエムTAROの放送について
会員の歯科医師がエフエムTARO(コミュニティFM放送76.7MHz)に出演し、歯科に関する最新情報などについて分かりやすく解説しています。
放送日時
毎月第3火曜日 13:20頃~(予定)
1月 スポーツマウスガード
3月 部分入れ歯の話
8月 ブラキシズムって何?
会員の歯科医師がエフエムTARO(コミュニティFM放送76.7MHz)に出演し、歯科に関する最新情報などについて分かりやすく解説しています。
毎月第3火曜日 13:20頃~(予定)
1月 スポーツマウスガード
3月 部分入れ歯の話
8月 ブラキシズムって何?
一般社団法人太田新田歯科医師会
とねき矯正歯科医院
院長 渡木 澄子
デンタルケア意識の向上により、子供の虫歯は減少傾向にありますが、中高年以降、特に高齢者の間で「大人の虫歯」が増加してきています。子供と大人で虫歯は違うの?と思うかもしれませんが、虫歯になる場所が変わってきます。
一般に虫歯と言えば歯肉から外へ出ている部分(歯冠部)の虫歯のことを指しますが大人の虫歯は歯と歯肉の境目、歯の根元(歯根)の部分に好発し根面う蝕といいます。年齢を重ねていくとお口の中の変化として歯肉の低下(歯肉退縮)がおこり歯が長くなったようにみえることがあります。
特に歯周病にかかると歯肉の退縮が進み、健康な時には歯肉にかくれていた歯根が外に現れてしまいます。歯冠の表面はエナメル質に覆われていますが、歯根はセメント質に覆われています。エナメル質に比べセメント質は柔らかく表面がザラザラしているので、汚れが付着しすく虫歯にかかりやすいのです。
また根面う蝕は、治療しにくい虫歯といわれています。歯冠の虫歯の多くは外から中へ向かって縦に進行するのに対し、根面う蝕は歯と歯肉の境目に沿って横に進行して歯の周りをぐるりと取り巻きます。
また痛みがないため気づきにくく、歯冠部が健全な状態で残っているのに歯根が環状に虫歯になっている場合もあり、やむおえず抜歯をせざるを得ないなど重症化しやすくなります。
根面う蝕に対する治療は難しいといわれています。歯冠部の虫歯には接着性プラスチックを詰めて治すことも多いのですが、エナメル質には十分な接着強度があるこの材料も、セメント質や象牙質にはまだ完全な接着の性能がありません。
このようなことから、不用意に削らず進行を抑制し、管理することが治療法の1つとし提唱されています。歯肉の退縮が気になり始めたら、歯医者さんでの定期的なメンテナンスに通うことが大切です。
気になる方は歯医者さんで相談してください。
太田新田歯科医師会
おおた阿部歯科クリニック
院長 阿部 義則
余り聞きなれない言葉だと思いますが、ブラキシズムとは主に「歯ぎしり」や「食いしばり」などの習慣的な癖のことです。
原因は明確になっていませんが、ストレスや歯並びの乱れやかみ合わせの悪さなどが要因と考えられています。
無意識に上下の歯を強い力ですり合わせている状態です。睡眠時にやっていることが多く、歯と歯がこすり合わさるので「ギリギリ」音がします。
主な症状は、詰め物の脱離、歯牙破折、知覚過敏、歯肉退縮、顎関節症、頭痛や肩こりなどが起こりやすくなります。治療法は、一般的にはナイトガード(マウスピース)の装着や、かみ合わせの調節を行います。
上下の歯を強い力で噛みしめている状態です。昼夜を問わず起こりますが、自分では噛みしめていることを自覚していないことがほとんどで、音もしません。通常、人間はリラックスしているときは上下の歯は接触していなくて、2~3ミリほど離れています。それが、食いしばりをしていると、常時強い力で噛みしめているので、歯牙や歯茎や顎関節に大きな負担がかかっています。
症状は歯ぎしりとほとんど同様ですが、特に歯牙破折のリスクが高くなります。治療法もナイトガードの装着や、かみ合わせの調節が有効ですが、まずは、
食いしばりを自覚することが重要で、日常生活において食いしばりをしていることに気付くことにより、食いしばりを予防することができます。
食いしばりや歯ぎしりにより、虫歯になりやすくなったり、歯周病が重症化したりすることが分かっていますので、身に覚えのある方は一度、歯科医院を受診されることをお勧めいたします。
太田新田歯科医師会
MK歯科クリニック
院長 増田康展
コロナウイルス感染症の感染拡大にて、開催が中止となっておりました太田新田歯科医師会主催の市民公開講座が、昨年2022年11月13日(日)太田市学習文化センター視聴覚ホールにて、
~医科歯科連携~
そのいびき、息が止まっていませんか?睡眠時無呼吸症候群か??
という演題で3年ぶりに開催されました。
講演をお聞きになった方もいらっしゃるとは思いますが、今日は睡眠時無呼吸症候群(いびき)についてお話しさせて頂きます。
先ず、睡眠時無呼吸症候群とは?一晩の睡眠中に無呼吸(10秒以上の呼吸気流の停止)がありNON‐REM睡眠期(ぐっすり眠っている時)にも出現するもので、1時間当たりの無呼吸回数が5回以上のものを言います。
睡眠の質と量、良く眠れることは健康維持にとても重要で睡眠の病気は全身に関わる病気の原因となります。最近では、トラックやバス、一般の車の事故が、睡眠時無呼吸症候群が原因のひとつではないかと言われています。
睡眠時無呼吸症候群の原因は、形態的異常として、肥満・扁桃腺肥大・巨舌症・小下顎症など、機能的異常として、気道の筋力の低下(舌根沈下)などにより起こるとされています。
睡眠時無呼吸症候群の担当科は、精神科・呼吸器内科・神経内科・耳鼻咽喉科・歯科など多くの科が関わっております。治療としては、呼吸器内科などで CPAP(シーパップ)という鼻につけるマスクを使用し、陽圧の空気を送り込み、上気道を広げ、開存を補助する治療法があります。歯科では、口腔内装置(専用のマウスピース)を装着し、下顎を前方に移動させ気道を開存し無呼吸を改善させる治療や口腔外科的手術(肥大した扁桃腺の切除)などがあります。
心配な方は、呼吸器内科など早めにかかりつけ医を受診していただきたいと思います。
当会ホームページの市民公開講座の欄にもう少し詳しく掲載されておりますので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。
太田新田歯科医師会
尾内歯科医院
院長 尾内 正芳
この春からコロナの取り扱いをめぐる分類も変わり、私たちの生活も、長かったマスク生活から大きく変わろうとしています。
そんな折、マスク生活で身についてしまった悪い習慣が、そのままになってしまっていないでしょうか?
私たち歯科医師がみなさんに特に注意してもらいたいのが、マスク下での口元の緩みです。
全世代に渡って言えることは、口元の緩みから口呼吸になって、それがむし歯や歯周病、そして口臭の原因になり得るということです。
各世代に焦点を当てると、まず成長期のお子さんにおいては、口元の筋肉の緩みから、歯並びや咬み合わせの正常な発育に支障をきたす可能性があります。
また、審美性に気を使う機会が増える成人世代においては、口元の緩みは対外的な印象を損ねる可能性もあります。
さらに高齢者においては、口元の筋肉の緩み→口腔周囲の筋力の低下→口腔機能低下症といって、将来的に食べる、飲み込むといった機能が損なわれ、普段の生活に支障をきたすことも、昨今大きく取り沙汰されています。
いずれも普段から口元を意識することが改善のきっかけになりますし、心配であれば最寄りの歯医者さんが相談に乗ってくれると思います。
今これをお読みになっているあなた、読んでいる間、口がぽっかり開いていませんでしたか?(笑)