令和4年度 太田新田歯科医師会学術講演会

日時:令和4年7月9日(土)18:00~20:00

講師:日本訪問歯科協会 小林喜明 先生

演題:訪問歯科診療における医療事務の基礎知識

開催形式:Zoomオンライン開催

 

令和4年度の学術講演会を7月9日(土)に開催しました。

コロナ感染予防に最大限留意し、Zoomアプリケーションを用いたWeb講演会として行いました。

 

今年度は、日本訪問歯科協会から小林喜明先生をお招きし「訪問歯科診療における医療事務の基礎知識」の演題で講演して頂きました。

小林先生のお話では、以前のアンケートで「訪問歯科診療に関して一番困っていること、知りたいこと」は「訪問歯科診療に伴う医療事務」が全体の39%を占めており、「治療に関すること」の約2倍であったそうです。

多くの歯科医院にとって、訪問歯科診療の医療事務はハードルが高いと思われているようです。そのため今回は医療事務に絞った講演となりました。

今年の保険改定でも訪問診療に関する部分はかなりの比重を占め、より複雑化しており、2時間の講演はたいへん情報量の多いものとなりました。

これだけの内容を簡潔にまとめる事は、自力では困難であり、有意義な講演会になったと思います。

また今後機会があれば、訪問診療の実際の治療についての講演を企画したいと思います。

 

文責 学術医療管理委員会 松本文男

睡眠時無呼吸症候群(SAS)研修会

演題:「睡眠時無呼吸症候群の概要と口腔内装具について」

日時:令和4年3月19日(土) 午後6時~7時

場所:太田新田歯科医師会館 会場参加者とZoomによるライブオンライン配信のハイブリッド開催

講師:高崎市歯科医師会 井田 順子先生

高崎市歯科医師会 井田 順子先生

高崎市歯科医師会 井田 順子先生

会長挨拶

会長挨拶

睡眠時無呼吸症候群は眠りだすと呼吸が止まってしまう疾患であり患者は血中酸素飽和度の低下により、循環器疾患をはじめ様々な病気を引き起こし、社会生活に非常に悪影響があります。

治療の代表的な方法に口腔内装具があり、医師からの作成依頼が増えたことを機に、高崎市歯科医師会井田順子先生をお招きし、上記演題でご講演頂きました。

ご自身のご経験から注意点の他、保険請求方法等有意義な内容で、講演後参加者からの質問も多く、時間の都合で今回話しきれなかった話を第2弾・第3弾の期待が高まっております。

マウスピース

(文責 大木晴伸)

令和3年度太田地区三師会地域医療講演会

太田地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会によるweb講演会が5月27日(木)に行われました。テーマは認知症という視点から医師、歯科医師、薬剤メーカー(東和薬品)よりお話を聞くことができました。歯科医師会からは、とちはら歯科 鎌田 政善 先生による「認知症の人への口腔衛生管理」についての講演をしていただき、知識を深めることができました。

令和3年度太田地区三師会地域医療講演会

 

令和3年度太田地区三師会地域医療講演会

文責 太田新田歯科医師会 学術医療管理委員会 渡木 澄子

令和元年度 太田新田歯科医師会学術講演会

委員会活動

学術・医療管理委員会

令和元年度 太田新田歯科医師会学術講演会

令和2年2月20日(木)太田新田歯科医師会館にて太田新田学術講演会をおこないました。

今回は東北大学大学院歯学研究科 小児発達歯科学分野 教授 福本 敏 先生にお越しいただき「口腔機能発達不全症の発症要因と治療法について」ご講演をいただきました。

福本先生は、九州大学大学院小児口腔医学分野 教授も兼任されるほどの小児歯科の研究において著名な方と伺っておりました。

講演内容は、明日の臨床に役立つ話から始まり、近年、小児を取り巻く生活環境が大きく変化し、このような環境要因が口腔機能の発達に大きな影響を与えるようになってきたことを、わかりやすくご講演頂きました。

例えば、カリエスに関しては小中学生までのカリエス予防は大分達成されているが、スマホやパソコン等の使用によるブルーライトの不適切な暴露は生活リズムを変化させ、18歳以降のカリエスが増加傾向にあるとのことでした。

また乳酸菌を含有する食品の利用が推奨され、全身の健康への有効性が示唆される一方で、口腔の影響については十分考察されていないそうです。

歯科においても、これら社会的背景を踏まえ、新たな情報を収集し患者さんはじめ保護者の方へ正しい情報を伝えていきたいとお話されておりました。

口腔機能の発達では、舌機能の発達や離乳食の与え方などお母さんたちにきちんとした情報を伝えていくことの大切さを講演会で学ぶことができました。

 

令和元年度 太田新田歯科医師会学術講演会

 

令和元年度 太田新田歯科医師会学術講演会

 

文責 太田新田歯科医師会 学術・医療管理委員会 渡木 澄子

平成29年度東毛地区学術講演会

「う蝕治療ガイドラインに基づいた超高齢時代のう蝕治療のあり方」

講師 新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔保健学分野

教授 福島 正義 先生

日時 平成29年11月18日(土) 17:00~
会場 桐生市歯科医師会館

今年度の東毛地区学術講演会は、桐生市歯科医師会主催にて行われ、新潟大学歯学部 福島 正義先生のう蝕治療ガイドラインに基づいた超高齢時代のう蝕治療のあり方を聴講しました。太田新田歯科医師会からは17名の先生が出席されました。

平成29年度東毛地区学術講演会 平成29年度東毛地区学術講演会

昭和32年から行われてきた歯科疾患実態調査の動向から、12歳児の永久歯列のう蝕罹患状況は昭和50~56年をピーク(DMF指数5.9)に平成28年には1/30へ減少(DMF指数0.2)しました。

う蝕の増加要因は経済成長に伴う砂糖消費量の増加と関係していますが、う蝕減少要因はフッ化物応用の普及、口腔保健行動の変容、少子化、学校歯科検診の診断基準の変更などが考えられるとのことでした。

う蝕治療はう蝕増加期の治療技術(早期発見・早期治療)に基づいていますが、う蝕減少期に生まれた新世代(昭和50年~)は良好な口腔を保持していることから、WHO口腔保健部長であったD.E.Barmes博士の歯科医療技術の将来予測にあるようにModerte Technology(削って、詰めて、かぶせる、抜歯する技術)やHigh Technology(インプラント、GTR、再生医療など)は減少し、健康な口腔を長く健康に保つためのLow Technology(セルフケア、予防)の構築の必要性にせまられていることを指摘されました。

一方で超高齢化時代を牽引する戦前世代(昭和10年~昭和19年生)では、平成28年時点の8020達成者は51.2%と推計されており、調査年ごとに現在歯数は増加しています。

しかし、後期高齢者におけるう蝕および歯周病は増加傾向にあり、とくに要介護高齢者や口腔乾燥症患者などの「多発性根面う蝕」の対処は深刻な問題である。

根面う蝕の予防・治療は緊急の課題であり、また咬耗や摩耗などの非う蝕硬組織疾患も増加するであろうとお話しされました。根面齲蝕に対する福島先生の治療は、フッ化ジアンミン銀による根面う蝕の予防、早期検知と進行抑制の薬物療法をおこない、その後審美的評価後、う窩の深さにより修復処置の有無を判定する方法をご教示いただきました。

20世紀後半のクリニカル・カリオロジーの発展が明らかにしたのは、う窩を形成する前の段階でう蝕を発見し、う窩形成や切削介入に至らないように、早期からのう蝕を管理することであると述べられました。

自分自身でご家庭でできる予防としては、毎日のブラッシング、フロス・歯冠ブラシの活用、間食・甘味制限などです。歯科医院では歯科衛生士によるプロフェッショナルケア、フッ素塗布を挙げられました。

高齢者社会を迎え歯冠部のう蝕から歯根部のう蝕への増加に伴い、ライフステージにあわせたセルフケア、プロフェッショナルケアの重要性を再確認できた講演会内容でした。

文責 太田新田歯科医師会 学術医療管理委員会 渡木 澄子