その入れ歯本当に咬めていますか

太田新田歯科医師会

藤平歯科医院

院長 藤平 哲

その入れ歯本当に咬めていますか

歯を失ってしまった場合の治療の一つの選択肢として入れ歯を使用することがあります。

一部であれば部分入れ歯になり、すべて無くなってしまえば総入れ歯になります。

入れ歯が合っていれば痛みはなく、違和感もなくなり食事の制限もかなり少なくなります。

入れ歯の歯は主にレジンで出来ています。使用していると少しずつ擦り減っていきます。長年使用していても少しずつのため変化に気が付くことは少ないと思います。

現在使用している入れ歯の歯の形を確認してみてください。もとの歯の形態が崩れていたり、平らになってしまっている場合は注意が必要です。

その入れ歯は奥歯の上下の接触が失われていて前歯のみの咬み合わせになっている場合が多数あります。入れ歯が不安定で緩く感じたり、歯がとれてしまった経験のある方もいるでしょう。

ではどうやって食事をしているのでしょうか?歯が擦り減ってしまったため咬みたい位置ではなく、咬める位置を探して顎をずらして咬んでいるのです。これが後に歯ぐきや顎の関節に悪影響を及ぼします。

結果、その癖が長い人ほど新しい入れ歯に違和感があります。理由は今までの入れ歯と新しい入れ歯のかみ合わせの位置が違うからです。

新しい入れ歯のかみ合わせは、理想的な位置を基準として作製しますので現在の入れ歯の噛む位置とのズレが大きい人ほど馴染むまでの時間が長くなります。

ですので現在使用している入れ歯に異常を感じていなくても、時々噛み合わせをチェックして必要があれば調整をしてもらってください。しかし調整しても完全には噛み合わせの位置をキープし続けることは難しいと思います。私の提案としては何度も調整を繰り返す前に新しい入れ歯を作製し、違和感やあごのズレを最小限に留めることをお勧めします。

黙食について

太田新田歯科医師会
古室歯科クリニック
院長 古室 浩明

黙食について

新型コロナウイルスが騒がれ始めてからそろそろ2年が経ちます。マスク、ソーシャルディスタンス、換気など色々な対策が叫ばれています。その中で今回は黙食についてお話ししてみようと思います。

黙食は孤食と違い大人数が食べるときに話しをしないことで、感染の予防をするものです。コロナの前はみんなで楽しく会話をしながらの食事が良いこととされていたので、正反対のことを推奨しているので皆さん戸惑われている方も多いと思います。

とかくマイナスイメージの強い黙食ですが良い所もありますので見直してみたいと思います。

①食事中の会話では口の中に食べ物が入ったまま喋ろうとすると食べ物が飛び出してくるかもしれません。黙食であれば他の人に嫌な思いをさせることはありません。

②黙食では食べ物をよく見て口に入れるので唾液を促しおいしく食べることができます。これから口に入れるものは人の顔ではありません。料理は目で見て味わう部分もあると思います。

③会食ではついつい食べ過ぎてしまうことがありませんか?黙食では食事に集中できるため一口量と口に入れるペースがつくりやすいと思います。

④会食だと「ながら食い」になりがちです。笑いながら話しながら楽しくはありますが、食べることに集中できているとは言えません。黙食で食べることに集中すると落ち着いて食べられるので精神的にも落ち着くことができます。

いかがでしょうか。もちろん会食が悪いと言っているわけではありません。コロナの騒動が落ち着いたら黙食ばかりではなく、みんなで楽しく話しをしながら食事を楽しみたいと思います。黙食、会食それぞれに良い所がありますので今は視点を変えて黙食を楽しんでみてください。

知覚過敏について

太田新田歯科医師会
やながわ歯科
院長  柳川 篤志

冷たい飲み物や食べ物によって歯がしみたことがありますか?

歯が痛くなる原因は様々ありますが、虫歯でもないのに歯がしみる知覚過敏についてお話しさせていただきます。

知覚過敏の原因

知覚過敏は、歯周病や加齢などにより、歯の根元の部分の象牙質が露出しておこります。

歯は、健康な状態であれば象牙質はエナメル質と歯肉におおわれていて、冷たさなどの刺激から守られています。

しかし、歯周病が進行したり、加齢や間違ったブラッシング、不正なかみ合わせなどで歯茎が下がってしまうと、歯の根元の部分の象牙質が露出してしまいます。

象牙質には神経につながる無数の穴があいているため、象牙質の穴を通して、受けた刺激が神経に伝わり痛みを感じてしまいます。

この痛みは一時的なものなので刺激がなくなると痛みもなくなります。

知覚過敏による悪循環

知覚過敏になると痛みのために歯みがきが十分にできなくなり歯垢が蓄積してしまいます。

すると蓄積した歯垢に潜む細菌が出す酸によって、露出した無数の穴がさらに広がって刺激を感じやすくなり、痛みがますます強くなってしまいます。

そうなるとさらに歯垢が蓄積して虫歯や歯周病が発症したり悪化するなど、悪循環を繰り返してしまうため、適切な歯みがきをすることが重要になります。

歯をみがく時の注意

歯をみがく時は軽い力でみがきましょう。歯をみがく力が強すぎると歯ブラシの毛先が開き、動きが止まってしまうため歯垢が落ちにくくなります。

歯ブラシは小刻みに動かして使うなど、力の入れ方や動かし方に注意しましょう。痛みが強い場合は、やわらかい毛の歯ブラシを使ったり、冷たい水ですすがずぬるま湯などを使いましょう。また、知覚過敏ケアハミガキを使うこともおすすめします。

歯の痛みには、知覚過敏だけでなく様々な原因があります。歯がしみたり痛みを感じたらできるだけ早く歯医者さんで相談してください。

エナメル質形成不全症について

太田新田歯科医師会
まきいこども歯科
院長 牧井 覚万

エナメル質形成不全症について

我々歯科医師が日常診療中に、よく見かける歯の状態で『エナメル形成不全症』というものがあります。近年、永久歯、乳歯ともに、この『エナメル質形成不全』が急増しており、その罹患率は20%程度との報告もあります。エナメル質形成不全は、昔から存在していましたが、この10~20年で急激に増加していることから、環境要因も含めた社会環境の変化に起因しているものと考えられています。

『エナメル質形成不全症』とは?

まず歯の表面にあるエナメル質は、人体の中で最も硬い組織です。歯の表面がエナメル質で覆われていることで、歯は様々な刺激、虫歯菌からも、ある程度守られているのです。このエナメル質が、石灰化不全、つまり完璧ではないモロい状態で歯が生えてくることを『エナメル質形成不全症』といいます。

エナメル質

2012年頃から日本小児歯科学会を中心に研究が盛んになりましたが、その報告からすると子供の11%~20%の頻度でエナメル質形成不全がみられると報告されています。
これは5人~10人に一人の割合であり、歯科医師からするとかなり高頻度であると言えます。

そういった歯は、通常のエナメル質より軟らかく、色も白い歯に比べて黄色かったり、茶色がかったようであり、また表面も輝きがなく実際ボソボソとして柔らかいです。

前歯と、第一大臼歯(奥歯)によく起こるのですが、歯科治療で特に問題になるのは奥歯である、第一大臼歯の形成不全です。

生える途中の大臼歯は、歯茎に覆われており、もともと汚れが溜まりやすく、炎症が起きやすく、虫歯になり易いです。

また、形成不全の場合、歯がしみることがあります。歯磨き時にしみるので磨き残しが増えてしまうことも多いです。歯の質が弱いこともあり虫歯になると急速に歯の破壊をおこします。

最後に、エナメル質形成不全症の原因についてです。
いまだに、特定の原因は明らかになっていませんが、ビタミン不足、ホルモン異常、内分泌異常、感染などにより歯の形成の、成長が一時的に阻害されることにより起こるのではないかと言われています。

 

虫歯の進行も早く、完璧な治療法も確立していないため、もし学校検診時などに指摘されることがありましたら、早めに歯科を受診し、定期的な検診をお勧めします。