エフエムTARO 2024 放送内容
エフエムTAROの放送について
会員の歯科医師がエフエムTARO(コミュニティFM放送76.7MHz)に出演し、歯科に関する最新情報などについて分かりやすく解説しています。
放送日時
毎月第3火曜日 13:20頃~(予定)
1月 定期的に歯医者さんに行っているのにむし歯が出来てしまう?
5月 令和6年 第30回 歯と口の健康フェア ~歯っピーライフで8020~
6月 歯の生える薬ができる?
会員の歯科医師がエフエムTARO(コミュニティFM放送76.7MHz)に出演し、歯科に関する最新情報などについて分かりやすく解説しています。
毎月第3火曜日 13:20頃~(予定)
1月 定期的に歯医者さんに行っているのにむし歯が出来てしまう?
5月 令和6年 第30回 歯と口の健康フェア ~歯っピーライフで8020~
6月 歯の生える薬ができる?
一般社団法人太田新田歯科医師会
やまぎし歯科医院
院長 山岸 理文
まず最初にフレイルって言葉を聞いたことがありますか?
高齢者は、健康な状態から要介護状態になるまでにフレイル(虚弱)という中間的な段階を経ていると考えられています。フレイルは身体的な問題だけでなく認知機能障害やうつなどの精神的な問題や独居や経済困窮などの社会的問題も含まれています。
○動くことが少なくなる
○社会的に交流する機会が減る
○身体機能の低下
○筋力低下
○認知機能低下
人生100年時代と言われている昨今ですが、出来るだけ長く健康でいたいと誰もが考えていると思います。しかし、人の加齢が進むにつれて徐々に心身の機能が低下していきます。
日本人の平均寿命 男性:81.09歳 女性:87.14歳 (令和5年)
日本人の健康寿命 男性:72.7歳 女性:75.4歳
約10年ほど日常生活に制限がある状態の期間があります。
健康を維持するために大事なことは、食事や運動に気を配ったり、生活習慣病にならないように気を付けることが代表的です。また多くの人が心掛けていると思います。そしてもう一つ大切なことが、フレイルの予防です。フレイルは、適切な治療や予防によって改善できます。
日本歯科医師会では、「8020運動」を推進してきました。80歳になっても20本以上自分の歯があれば食生活にほぼ満足することが出来ると言われている。
そして新たに取り入れられた考え方に「オーラルフレイル」の予防です。
オーラルフレイルとは加齢による衰えのひとつで、食物を噛んだり飲み込んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりするなど“口”に関連する機能が低下しつつある状態のことを指します。
オーラルフレイルの症状は、具体的には、食べこぼし、飲み込むときのわずかなむせ、噛めない食品の増加、滑舌の悪化などです。
噛む機能(咀嚼機能)が低下:
むし歯があったり、噛むと歯が痛い、ぐらぐらする歯がある、入れ歯があっていない
→ 噛めないことを歳のせいと諦めず歯科医院に受診し相談する。
飲み込む機能(嚥下機能)が低下:
食事中や食後にむせる。薬が飲みにくくなった。痰が増えた → 嚥下体操
口の渇きが気になる → 唾液腺マッサージ
正しいセルフケアを行う → 歯磨き・舌磨き・入れ歯をきれいにする。歯科医院で定期健診を受ける。
オーラルフレイルを予防して健康寿命を延ばしましょう!
学校法人太田アカデミー
太田医療技術専門学校
歯科衛生学科長 金子 聖美
このような機会をいただきました太田新田歯科医師会の先生方ありがとうございます。
私はイオンの近くにある太田医療技術専門学校、歯科衛生学科で教員をしています、歯科衛生士の金子聖美です。せっかくいただいたチャンスですので、少しでも有意義な時間にしたいと思っています。
私は歯科衛生士になって40年になります。この間に歯科衛生士の仕事が大きく変わりました。歯科衛生士に求められていることの変化と口に対する社会の変化のお話をさせていただこうと思います。
私が歯科衛生士になった40年前の昭和はまだまだ虫歯が多く、治療が主体の歯科医院でした。歯科衛生士の仕事は先生の治療のアシスタントをすることが主な仕事でした。それに歯周病のために歯石を取ったり、クリーニングを行い、虫歯を歯周病の予防をする歯科衛生士も増えてきていました。ただ、虫歯ぐらいでは死なないとか、歯槽膿漏になったら、歯を抜けばいいという考えが根強くあり、予防がまだまだ進んではいませんでした。
さて令和の時代になって何が変わったでしょうか?視聴者の方はこの40年とか30年でご自分のお口や歯に対する認識は変わっているでしょうか?もし、そんなに変わっていないと思われた方は、ぜひお聞きください。
1つ目の歯科衛生士の仕事の変化は、虫歯と歯周病を予防するだけでなく、口腔機能を予防することが必要になってきました。なぜなら、どんなにいい入れ歯が入っていても、自分の歯があっても、食べたり飲みこむことが難しくなると、食べることができなくなります。年齢を重ねてくると、好きなものを食べることは楽しみになります。それができなくなるのは、生きている生き甲斐が失われてしまいます。もう一つ問題なのが子供の口の機能がしっかりと発達していないことです。ですから、子供からお年寄りまで、しっかり噛んで食べられる口を作ることが大切になってきます。
2つ目は、歯周病が全身疾患を大きく関係していることがどんどん解明されてきていることです。歯周病と一番関係のある病気はご存知でしょうか?糖尿病です。糖尿病が悪化すると歯周病も悪くなり、歯周病がひどいと糖尿病の数値も悪くなります。反対に歯周病がよくなると糖尿病のよくなってきます。そして今、とても問題になっている認知症は歯周病菌(PG菌)が脳の中で出す酵素が原因と考えられています。口を管理することがとても重要になってきているので、歯科衛生士の出番なのです!
さてみなさん、ここまで聞いていかがでしょうか?
こんな重要なお口の管理をまかすことができるかかりつけの歯科衛生士をお持ちでしょうか?
これからはかかりつけ歯科医はもちろん、かかりつけ歯科衛生士をぜひお持ちください。
太田医療技術専門学校では、みなさんに寄り添い、健康を一緒に守っていく歯科衛生士を育てています。興味があれば、ぜひ見学においでください。
一般社団法人太田新田歯科医師会
ツイヒジ歯科医院
院長 對比地 悟
太田新田歯科医師会について、説明をいたします。
その名称は正確には一般社団法人太田新田歯科医師会といい、太田市及びみどり市笠懸町に在住あるいは勤務する歯科医師または歯科を有する病院等により構成されます。会員数はおよそ120名です。
その活動は以下の様になります。
1.市民公開講座
毎年、11月もしくは12月上旬の日曜日に太田市学習文化センターなどで 、講演会を行います。例えば、昨年は「オーラルフレイルを考えてみましょう」というテーマで足利赤十字病院の先生にご講演をしていただきました。
2.歯と口の健康フェア
6月の最初の日曜日にイオンモール太田にて、行っています。市民へ様々な歯科保健情報を提供しています。その内容は、
3.歯科保健情報発信事業
毎月第3火曜日の午後1時20分頃からエフエム太郎に出演し、歯科に係る様々な情報を提供しています。
4.母子保健事業
1歳6か月児、2歳児、3歳児健診を保健センター等で行っています。
5.太田市学校保健事業
市内の小中学校・高等学校では毎年、春に歯科健診を、また小中学校では歯と口の健康に関する図画・ポスターコンクールや標語コンクールを行っています。
太田市のすべての小中学校で歯科衛生士による講話やブラッシング指導を行っています。
6.歯周病健診
太田市・みどり市からの依頼により歯科医院での歯周病健診を行っています。
7.妊婦歯科健診
太田市・みどり市からの依頼により歯科医院で妊婦の歯科健診を行っています。
8.休日歯科診療
日曜日・祭日・お盆休み・年末年始に、新井町にある太田新田歯科医師会館で急性症状のある患者さんの応急処置として、休日歯科診療を行っています。
9.群馬県後期高齢者歯科健診
75歳になった方を対象に、歯科医院で歯科健診を行っています。患者さん本人の費用負担はありません。
10.障がい者施設歯科健診
太田市内の群馬県立特別支援学校や障がい者施設におもむき、歯科健診を行っています。
今後とも一般社団法人太田新田歯科医師会をよろしくお願いいたします。
一般社団法人太田新田歯科医師会
尾内歯科医院
院長 尾内正芳
最近のニュースで歯の生える薬が開発中というのが話題になりましたが、みなさんはお聞きになりましたか?
歯は骨などと違って基本的には再生しません。
また一度抜けてしまった永久歯はサメやワニのように新しく生えてくることはありません。
これは歯を作る細胞や組織が永久歯を作り終えた後、退化してしまい機能しなくなるからです。
これには私たちの細胞に組み込まれている、ある遺伝子が関係していると言われています。
そこに目を付けた京都大学発のベンチャー企業は、この遺伝子の働きを阻止する中和抗体を開発し、マウス等の実験で歯の欠損した部分に歯を生やさせることに成功しました。
現在は人への応用の準備段階とのことで、まずは遺伝的に多くの永久歯が欠損している先天性無歯症、ついで部分的に欠損している部分無歯症、最終的にはむし歯や歯周病などで後天的に欠損した部分にも応用できるように考えているとのことです。
もっとも今年にもヒトに対する安全性試験を実施した後、来年からまずは先天性無歯症に対する治験を開始、本格的な実用化は2030年予定とのことですので、むし歯や歯周病などによる後天的な欠損への実用化はまだまだ先と言わざるを得ないでしょう。
それでも非常に夢のある話ではありますので、私たちは次世代の人たちが歯の欠損に困ることなく暮らせる時代が来ることを願いつつ、日々のお口の中のお手入れを怠らないようにしたいものです。