エフエムTARO 2023 放送内容

エフエムTAROの放送について

会員の歯科医師がエフエムTARO(コミュニティFM放送76.7MHz)に出演し、歯科に関する最新情報などについて分かりやすく解説しています。

放送日時

毎月第3火曜日 13:20頃~(予定)

1月 スポーツマウスガード

2月 歯科衛生士ってどんな仕事??

3月 部分入れ歯の話

4月 あきらめないで、お口の健康 ~口腔機能低下症~

5月 第29回 歯と口の健康フェア

 

第29回 歯と口の健康フェア

太田新田歯科医師会

長島歯科医院 院長 長島 広明

日本歯科医師会では、6/4~6/10までの1週間を、歯と口の健康週間として、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び、早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、健康の保持増進に寄与することを目的としています。

太田新田歯科医師会では、6/4(日)イオンモール太田2Fイオンホールにて、「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」と題したイベントを開催します。

毎年この健康週間に合わせて開催をしておりましたが、コロナ禍のため、4年ぶりのイベントとなります。

午前10時から午後3時までで、入場は無料です。

今回の健康フェアの内容は

  • フッ素塗布(群馬県歯科衛生士会東毛支部)
  • 歯科医師による歯科健康相談
  • 型取り体験 (太田歯科技工士会)
  • 「歯科保健啓発図画ポスター標語コンクール」優秀作品展示

歯、歯肉、口の中の疾患は、全身の健康に大きく影響します。マスク生活も3年以上、こんなに長く続くとは思いませんでしたが、このマスク、口呼吸になりやすく口の中が乾燥し唾液の量が減ります。この唾液力の低下が、さまざまな口腔内トラブルの原因となります。この健康フェアを機に、歯と口の状態に関心を持っていただき、日頃の口腔ケア、健康管理に役立ていただけたら幸いです。

今回、4年ぶり、新型コロナウイルスの位置づけが5類へと変更になり徐々に以前の日常が戻りつつありますが、まだウイルスがなくなったわけではありません。展示内容が以前より少なくイベントとしてやや物足りないところもありますが、会場の密を避け、感染対策等に気を付けて開催します。来場者へのプレゼントは以前同様、用意しております。ぜひご来場をお待ちしております。

あきらめないで、お口の健康 ~口腔機能低下症~

太田新田歯科医師会
岸歯科医院
院長 岸隆史

 

元気に暮らす事、健康に日々を過ごす事はどんな人にとっても、望みだと思います。しかし、年齢と共に「うまく噛めない」「飲み込むとむせる」「話しづらい」「口臭が気になる」といった問題に直面してくる人が多くなります。以前は「年齢のせい」と諦めていた方も多いと思います。

ここ最近「フレイル(虚弱)」という言葉を耳にされた方も多いと思います。お口に問題があって食事が上手く出来ない→栄養不足で機能が低下する→機能が低下するので食事が上手く出来ない…といった悪循環に繋がります。この時の「機能低下」を「口腔機能低下症」と言います。口腔機能低下症は歯科医院で適切な検査をすることで客観的に判断する事ができます。

  1. 口が乾く、口臭が気になる
  2. 噛みづらい、しゃべりづらい
  3. 飲み込む時にむせる、声がしゃがれてきた、咳払いが増えた

検査によって「機能低下」が確認された場合も「適切な訓練(トレーニング)」をする事によって、症状が改善する報告もあります。

「訓練(トレーニング)」といっても難しいものではありません。

「何かのついで」くらいの感じで、「日々の習慣化する事」で「口腔機能低下症」の重症化を防ぐ事ができます。

先ほど述べた症状の順に簡単な方法をいくつか説明します。

  1. の症状に対する訓練:唾液線マッサージ・舌回し
  2. の症状に対する訓練:あいうべ体操
  3. の症状に対する訓練:パタカラ体操

他にいろいろありますが、それぞれの生活リズムや環境によって、その方に適した訓練を続ける事(これが重要)で健康を維持して、楽しい毎日を過ごしていただければと思います。

春の大型連休期間の診療歯科医療機関

◇太田新田歯科医師会 休日歯科診療所

診療日:4月29日(土)、4月30日(日)、5月3日(水)~5日(金)、5月7日(日)
診療時間:午前10時から午後1時まで (電話受付:12時30分まで 最終来館受付:12時45分まで)
※急患のための待機ですので、それ以外の方はご遠慮ください。

部分入れ歯の話

太田新田歯科医師会

しまざきデンタルクリニック

院長 島﨑 政人

部分入れ歯の話

 

昨年3月に引き続き入れ歯の話をします。

前回は総入れ歯について、適合や噛み合わせ調整、製作時期について説明しました。

今回はパート2とし、部分入れ歯についてお話しします。

 

部分入れ歯は、歯が1本なくなった状態から1本しかない状態のものまでの入れ歯の事を言います。

歯や歯茎の代わりの部分と入れ歯を動かなく維持する部分があります。

部分入れ歯に維持する部分が必要な理由をお話しします。

部分入れ歯が総入れ歯と異なる点は、歯がある事です。総入れ歯は、粘膜に密着する事で動き難くしますが、部分入れ歯は、歯がある事で閉鎖し密着し難い環境にあります。したがって、入れ歯の動きを少なくするためにはなんらかの装置が必要になります。

歯と歯の間に人工の歯を置いただけだと横にずれてしまうので両隣の歯を包む装置が必要になります。また、歯の無いところが粘膜で覆われているので沈み込んでしまうので、両隣の歯の上に支えを置く必要があります。これがいわゆるバネです。

歯は、平行でもないし、曲面なので、入れ歯との間に隙間ができやすいです。隙間が多いと入れ歯は動きやすくなります。動きやすいと外れやすく、粘膜も擦れて痛みやすいです。そのため、歯の表面を少し平行に削ったりすることにより隙間を少なくする事で入れ歯の動きを少なくする処置をする事があります。

入れ歯が浮き上がらなくするために、曲面の凸部下にバネを引っ掛けます。弾力性のあるバネなら、より多く引っ掛けられます。引っ掛けると言っても、バネの先端0.25から0.5mmです。これにより、入れ歯が外れにくくなります。

健康な歯は、咬んだ時約0.02mm沈みます。粘膜は約0.5mm。この差が入れ歯を揺らしてしまいます。したがって、適切なバネと調整が必要になります。

歯の無い部分の前後に歯が残っていれば、支え易いですが、前方にしか無い、後方にしかない場合には様々な工夫が必要となります。

単純に考えると、歯が無い本数が増えれば、支えるバネの本数も必要ですし、入れ歯の面積も大きくなります。そうなると、舌にあたったり、敏感な粘膜部分に触れたり、違和感も増えます。

この様に歯科医は、様々な事を考慮して設計し製作しています。歯の無いところに歯の代わりとなるものを入れる。単純な事ですが、これが意外とむずかしいのです。

使える入れ歯は人工臓器となり、使えなければただのオブジェです。

歯医者と話し合いながら、使える入れ歯を作りましょう。