ブラキシズムって何?
太田新田歯科医師会
おおた阿部歯科クリニック
院長 阿部 義則
余り聞きなれない言葉だと思いますが、ブラキシズムとは主に「歯ぎしり」や「食いしばり」などの習慣的な癖のことです。
原因は明確になっていませんが、ストレスや歯並びの乱れやかみ合わせの悪さなどが要因と考えられています。
歯ぎしりとは
無意識に上下の歯を強い力ですり合わせている状態です。睡眠時にやっていることが多く、歯と歯がこすり合わさるので「ギリギリ」音がします。
主な症状は、詰め物の脱離、歯牙破折、知覚過敏、歯肉退縮、顎関節症、頭痛や肩こりなどが起こりやすくなります。治療法は、一般的にはナイトガード(マウスピース)の装着や、かみ合わせの調節を行います。
食いしばりとは
上下の歯を強い力で噛みしめている状態です。昼夜を問わず起こりますが、自分では噛みしめていることを自覚していないことがほとんどで、音もしません。通常、人間はリラックスしているときは上下の歯は接触していなくて、2~3ミリほど離れています。それが、食いしばりをしていると、常時強い力で噛みしめているので、歯牙や歯茎や顎関節に大きな負担がかかっています。
症状は歯ぎしりとほとんど同様ですが、特に歯牙破折のリスクが高くなります。治療法もナイトガードの装着や、かみ合わせの調節が有効ですが、まずは、
食いしばりを自覚することが重要で、日常生活において食いしばりをしていることに気付くことにより、食いしばりを予防することができます。
食いしばりや歯ぎしりにより、虫歯になりやすくなったり、歯周病が重症化したりすることが分かっていますので、身に覚えのある方は一度、歯科医院を受診されることをお勧めいたします。