第17回市民公開講座開催のご案内

介護保険が導入された平成12年から始まった太田新田歯科医師会の市民公開講座、今年からは太田市との共催となり、より細やかなテーマに対応できるものと期待しています。

さて、今年は「摂食・嚥下障害とリハビリテーション」を題材に講座を開催します。健康・長寿の国日本ですが、高齢者の健康寿命延伸こそが医療・介護のテーマです。そこで今回は国内の第一人者である馬場尊先生、足利赤十字病院リハ科の尾崎健一郎先生をお招きし、その病態からリハの実際までわかりやすく解説していただきます。

この講座で正しい知識を得、皆様の健康寿命の延伸に役立てていただければ幸いです。

第17回市民公開講座開催のご案内

歯磨きをする時の姿勢(体勢)~幼児期を中心に~

太田新田歯科医師会

MK 歯科クリニック

増田康展

 

小さなお子さん(小学生の低学年くらいまで)の歯磨きや仕上げ磨きをする時の、お子さんの姿勢はどんな状態でしょうか?

赤ちゃんであれば、寝かせた状態で磨く場合が多いと思います。保育園児や幼稚園児になると、お母さんやお父さんの膝の上に座ったり、椅子に座って仕上げ磨きをする方が多いのではないでしょうか?

お子さんのむし歯は、奥歯の歯と歯の間に最も多く出来てしまいます。特に、上の奥歯の歯と歯の間に多く出来ます。なぜ、歯と歯の間がむし歯になりやすいかというと、そこに歯ブラシが当たらないからです。そして、汚れが取れないからです。

歯と歯の間の汚れを取る為には、デンタルフロス(糸ようじ)を使う必要があります。そして、歯ブラシとフロスを使って上手に汚れを取る為には、歯磨きや仕上げ磨きをする際に、お口の中と磨く歯がよく見える事が重要です。

膝の上や椅子に座った状態ですと、下の歯は見やすく磨きやすいですが、上の歯はあまり見えずに磨きにくい事が多いです。ですから、上の歯も下の歯を磨く姿勢に近い状態にしてあげる必要があります。寝かせた状態でも、座った状態でも、頭を後ろに反らせた状態にして下さい。その際、枕やタオルを首の後ろにあてて使うと良いと思います。

この様な状態にして上の歯(歯列)が奥歯までしっかり見える状態ですと、歯ブラシがよく当たり、フロスもしやすくなります。

歯磨きや、仕上げ磨きの時に動いてしまう小さなお子さんの場合は、寝かせた状態で、肩のあたりから腕を挟んでまたがって座る(馬乗りの)状態で磨いてあげると動きが少なくなり、スムーズに磨く事が出来ます。その際も、上の歯を磨くときは、枕やタオルを使って頭を反らせて下さい。

短い時間で、しっかり汚れが取れる歯磨きや仕上げ磨きであれば、お子さんも段々と理解して、落ち着いた状態で歯磨きが出来るようになります。

そして、かかりつけ歯科医院の定期的なお口のチェックや、歯科医師、歯科衛生士の適切なアドバイスを受けて、上手に歯磨きが出来るように心がけましょう。

6才臼歯

太田新田歯科医師会

ふじい歯科・小児歯科

院長 藤井 清親

 

今日は6才臼歯と呼ばれる大人の歯についてお話したいと思います。

よく6才臼歯という言葉を耳にすると思いますが、これは乳歯の奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯で、6才頃に生えてくるので6才臼歯と呼ばれています。

この歯は一番大きくて、咬む力も最も大きい歯です。ですから、永久歯の中でもとても大切な歯なのです。

しかし、その反面、永久歯の中で一番初めにむし歯になってしまい、最もむし歯になりやすい歯でもあります。

なぜ、6才臼歯がむし歯になりやすいかというと、奥に生えるため、生え始めに気がつきにくく、生えきるために1年から1年半くらいもかかります。その間、歯の形も、咬む面の溝が深く複雑で、歯磨きしにくい形をしているからです。

ですから6才臼歯を磨くときは、小さ目の歯ブラシを斜めから入れて、6才臼歯の咬み合せの面だけを選んで磨きます。

ハブラシの毛先を歯にきちんと当てて、小さく前後に動かします。

少し長めに丁寧に磨いてみましょう。

6才臼歯がきちんと最後まで生え終わるのが、個人差もありますが、7~8才と言われていますので、その頃まで保護者の方が仕上げ磨きをしてあげてください。

永久歯は乳歯より固く、むし歯になりにくいと言われていますが、特に生え始めてから2~3年はまだ歯自体が未熟で弱く、むし歯になりやすい状態ですので、気を付けて下さい。

もし、むし歯になってしまったなら、早めに治療を開始して下さい。

出たばかりの永久歯がむし歯になると、進みが早く、痛みを感じる頃には見た目には小さくても、中は深く大きく広がっていることが多いからです。

また、6才臼歯を痛がるときはむし歯だけではありません。歯が出てきている途中で、歯の上に部分的にかぶさった歯ぐきを噛んで傷つけてしまうと、それだけでも痛いうえに細菌が侵入すると炎症が広がってズキズキ痛みを訴えることもあります。

その他にも腐骨と呼ばれる白い小さな塊が6才臼歯の咬み合せの所にかぶさっている歯ぐきの所につくことがあります。自然にポロッと取れることもありますが、ゴロゴロして噛むときに痛みがある場合があります。

歯の出方には個人差があって必ずしも6才に、6才臼歯が生え始めるとは限りませんが、まれに上下の前歯が4本ずつ生え変わっても、まだ6才臼歯が生えてこないことがあります。このような場合には、生えることを邪魔する何かがあると考えた方が良いでしょう。

変だなと思った時には早めに歯医者さんに受診して下さい。

永久歯の中でも特に大切な6才臼歯です。

少しでもむし歯にしないように、むし歯予防のフッ素のお薬を歯の生え方にあわせて塗ったり、シーラントと言って歯の溝に汚れが残るのを防ぐシールをしたり、十分気を付けてください。

そのためにも、定期的に歯科医院で検診、チェックをおすすめします。

お口を開けて笑えますか?

~歯科医院でのお口のクリーニング~

太田新田歯科医師会

松本歯科医院

松本 堅志郎 

 

紅茶やコーヒーなどを好む人はどうしても歯の表面に着色が付きやすいものです。歯医者で行うクリーニングではきれいに着色を取ってもらえます。特に歯の表面に細かな傷が多い人は着色しやすい傾向にありますので、定期的にクリーニングを行うと、着色しにくくなり、きれいな状態が持続できます。

歯石は自分で取ることはできません。歯石とは歯に付着した石のように固くなってしまった汚れで、歯周病を進行させてしまう恐ろしいものです。歯石は歯ブラシで落とすことができないので、歯医者で専用の機械を使用して取り除いてもらう必要があります。

歯石は歯ぐきの根本から徐々に歯ぐきの中に入っていきます。歯石が出来たら早めに取り除いてあげるのが理想的です。歯ぐきの中まで付着してしまった歯石は麻酔をして取り除く場合もあります。

むし歯や歯周病の多くは歯と歯の間から始まります。しかし、日本ではまだ歯ブラシだけしか使っていない方が多いようです。歯ブラシでプラークが取れる割合は6割ぐらい、デンタルフロスを使えば8割ぐらいまでプラークを取ることができます。残りは歯医者でのクリーニングです。

クリーニングは1回で終わりますか?という質問をよく受けます。

もちろん1回で終わらせることもできますが、1回では表面の軽い汚れしか取ってあげられないのが現状です。着色や歯石が少ない方や定期的に健診に通っている方でしたら1回でキレイになります。

目安としては1年以内に歯科でクリーニングを行っていれば1回、1~2年ブランクがあれば2、3回、3年以上ブランクがあればそれ以上を目安にして頂ければと思います。極端に少ない回数のクリーニングでは表面的な汚れしか取ってもらえていない可能性があるので注意が必要です。定期的にお口の中を見てもらい、適切な指導を受けましょう。

長生きしたければ 歯医者に行こう!

長生きしたければ 歯医者に行こう!~ 歯や歯肉 と 全身疾患の関係 ~

太田新田歯科医師会

大木歯科クリニック

大木晴伸

歯肉と心臓や脳  歯とボケが密接な関係にあることをご存知ですか?

最近口の中の問題と全身疾患の関係についてマスコミで取り上げていただくことがしばしばあります。しかしながら残念なことに 一般の方にはまだまだ十分には広がっていないようです。我々が患者さんの診療をする際、問診で既往歴つまり「今まで何か病気にかかられたことはありますか?」と聞いても、患者さんが自らの判断で「これは歯に関係ない」と考え、申告してくださらず、治療が進むうち何気ない会話に中で「えっ、そんな病気になったことがあるのですか?」ということがあります。

例えば 骨粗しょう症で3年以上BP製剤という薬を服用されている方が歯を抜くと、顎の骨が腐ってしまうという副作用が出ることがあります。また場合によっては重症の歯周病でも同様のことが起こります。ですから、患者さんからのそのような情報は、診療するうえで大変重要になってきます。

また重症の歯周病でかつ重い糖尿病に罹っている方が、糖尿病の治療を新たな治療を加えなくても歯周病を改善しただけで 糖尿病も改善することもしばしばあります。

歯周病は、心筋梗塞や脳梗塞 脳出血にも大きな影響があります。さらに咬み合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因である アミロイドβが生成されやすく、つまりボケ易くなります。

トヨタグループに健康組合がいくつもあるそうですが、組合間で比べると歯科のレプト点数が低い組合は、医科の点数が高く、反対に歯科の点数が高いところは、医科が低いそうです。つまりお口の中をきちんと管理し、何かあれば早期に治療しておけば、体全体の健康に良い影響があり、お医者さんにあまりかからなくてすむということが、統計的に結果が出ているということです。

歯科の治療というと、エアータービンという「キーン」いう音が出るドリルと痛みを思い浮かべ、、むし歯があるとわかっていても痛くないと「もう少し様子を診ます」と言って治療をしない方がいますが、虫歯も歯周病も治療しなければ決して治らず、自然治癒などありません。放っておけばどんどん悪化し、より治療が困難になるだけです。

口腔ケアの大切さを是非理解していただき、問題の早期発見早期治療を心掛け、お口の健康を保つことが、全身の健康につながりますので、健康で長生きするために、定期的な歯科健診を是非受けてください。