歯科業界の人たち

小森谷和之

歯医者さんにはみなさん一度は行ったことがあると思います。今日は、歯科医院とそれを支える人たちについて話したいと思います。

まず、行くと笑顔で「こんにちは」と言ってくれる。受付の人、受付にいる方はいろいろです。特定の方を置かない医院もありますが主に事務専門の方を置いているところが多いと思います。

診療室に入ると歯科医師とは別に女の方がいると思います。歯科衛生士と歯科助手という方たちです。

歯科衛生士は国家資格で以前は2年でしたが、今は3年制の専門学校を出ないとその受験資格を得られません。仕事内容は診療補助、予防処置、歯科保健指導が主なものです。
歯科助手は歯科医師会などの団体で認定しているものもありますが特別な資格はなく、医院独自に教育されていることも多いです。おもに歯科診療の補助業務を行っています。先ほどの受付に立たれる方もいます。

すべての歯科医院におられるわけではありませんが、銀歯や詰め物、入れ歯などを作ってくれる歯科技工士という方たちもいます。
患者さんとは直接的に関係ありませんが、歯科関係の材料を届けてくれる材料屋さんや、機械類を保守点検してくれる方たちもいます。

以上のようにみなさんの健康を守るために多くの方たちの協力を得て私たちは診療しています。これからもよろしくお願いします。

根の治療は治りにくい!?

歯の神経をとって根の治療をした事がある人は沢山いると思います。大半はむし歯が大きく進行して痛みをとるために行いますが、神経をとった後の歯は色々な症状を出したりする事があり、予後がよくない事が多くあります。

ではなぜ予後が悪いのか?  なぜ神経をとったのに痛みが出るのか? 

神経をとった後、根の中は空洞になります。根の治療により、その部分をきれいにし、お薬をつめて空洞を埋めて行きます。

前歯などは根の数や神経の通り道が1つしかないのですが、奥歯になると、根の数が2~3本あり、それに伴い、神経の通り道も2~4本と増え、さらに通り道自体もかなり狭くなっていきます。

我々歯科医師は、針の様に細い器具を使い、神経の通り道をきれいにして行きます。

しかし、根の中は複雑に曲がっていたり、奥の方でさらに枝分かれしていたりする場合があり、器具が届かない所も出てきます。

この様な根っこの先端部分に細菌が感染する事により腫れが出たり、痛みが出たりします。

一度、根の治療を終えた歯にこの様な細菌の感染が起きた場合、通常は被せ物を外して、根の中につめたお薬を取り除き、根の中の消毒を行います。

しかし、一度感染した歯は先ほどお話した根の中の複雑な形態により治療の器具が届きづらく、完治が難しいのです。

その他にも根っこが割れてきてしまい、痛みや腫れを出す事もあります。

根っこが割れてしまった場合は、残念ですが抜歯の選択肢になります。

いずれも、神経をとった事が原因になってきますので、神経をとらなければならない様な大きなむし歯ができる前に、できれば数か月に1回、定期的に歯医者さんに行って健診を受けることをお薦めします。

とやま歯科クリニック  戸山慶太

自分のお口の中をご存知ですか?

平成26年5月20日

6月1日(日)歯と口の健康フェア告知!

今回は自分に合った歯の磨き方をお話しさせて頂きます。

通常、成人(大人、永久歯の場合)のお口の中には28本の歯があります。上下左右の親知らずを合わせると32本になります。

まれに、生まれつき歯の数が少なかったり、多かったりする場合もあります。

現在、ご自分の歯が何本あるかおわかりでしょうか?

歯科治療では、虫歯や歯周病、あるいは事故やケガなどにより、歯を抜くことになってしまった場合、歯が無くなった部分を補う治療が必要となります。そういった治療を補綴治療といいます。Brや義歯(入れ歯)を作る治療です。インプラント治療もそのひとつです。

Brとは、無くなってしまった歯の両隣の歯を被せてつなげ固定するものです。無くなった歯の部位や残っている歯の状態により、つなげる本数が増えることもあります。

義歯(入れ歯)とは、今回は特に部分入れ歯の事になりますが、無くなってしまった歯の前後、或いは他の部位の歯にバネをかけて装着して使用する取り外し式のものです。

以前も歯磨きのお話、特に糸ようじ(デンタルフロス)の使い方のお話をさせて頂きました。

Brの治療をした場所は歯と歯がつながっている為、糸ようじ(デンタルフロス)を使って歯を磨くことができません。矯正治療の装置(ワイヤー)をつけている場合も同様です。その場合歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れを取り除きます。また、細かい所を磨くヘッドのとても小さな歯ブラシを使うことをお勧めします。

義歯(入れ歯)の場合は、食後に義歯をお口の中から外して、歯を磨きます。特にバネのかけてある歯の周りはとても汚れが残りやすい場所ですから、注意して磨いてください。そして義歯もブラシで磨き汚れを取ります。義歯専用ブラシや義歯洗浄剤を使用するとより効果的です。

歯ブラシにはいろいろな種類があります。歯の溝の部分や、歯茎より上の部分は普通か少し硬めのブラシ、歯と歯茎の境目を磨くにはやや柔らかいブラシと使い分けることも必要です。あまり大き過ぎる物も上手く磨けないことがあります。歯間ブラシも同じで、細い物、太い物、また形態も様々です。場所によって歯と歯の間の広さが異なるので、サイズの合った物を使用して下さい。

お口の中は皆さんそれぞれ状態が違います。お話ししたような歯の磨き方は、解っていてもなかなか難しいものです。時間がかかるとは思いますが、どんなブラシを使って、どのように磨けば上手に出来るか根気よく、歯科医師や歯科衛生士に指導してもらいましょう。

フロスを使おう

きむら歯科医院
木村博昭

 「フロスを使おう」

普段、診療中、患者さんに「お口のお手入れに何を使っていますか?」と聞くことがあります。患者さんからは、「歯ブラシと歯磨き粉だけですかね」とか、「最近、液体のマウスウオッシュ使っています」とかの返答はあるのですが、「フロス使っています」という方は、まだまだ少ないですね。結論から述べますと、フロスを使わないとお口のお手入れは完結しないと思います。

昨年、この放送で電動歯ブラシの話をしましたが、例えば電動歯ブラシを使って完璧にお口のお手入れをしたとしても、残念ながらある個所だけは、お手入れできません。それは、「歯と歯の間です」。通常、健康なお口の人の歯と歯の間には、歯ブラシが入る隙間がありません。そこで、登場するのが「フロス」という細い糸です。お口の中にいる細菌は、とても意地悪で磨きずらいところが大好きです。奥歯の溝、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)、歯と歯の間に好んで住み着いています。このうち、奥歯の溝と歯と歯茎の隙間は、歯ブラシでお手入れできるのですが、残念ながら歯と歯の間は歯ブラシではお手入れできません。そこをお手入れするのが「フロス」です。

フロスと似たようなものに、「糸ようじ」があります。個人的には、フロスをおすすめしますが、糸ようじでも良いと思います。

使い方は、歯と歯の間に糸を通して使うのですが、お口の状態は人によって違うので、間違った使い方をすると歯茎を傷つけたりしますので、一度かかりつけの歯科医院で正しい使い方を学んでからのが良いと思います。

フロスと似たような道具で「歯間ブラシ」というものもありますが、これは歯と歯の間に大きな隙間がある人だけに有効な道具ですので、隙間のない方は「フロス」が良いと思います。

実際、私自身も毎日フロスをしているのですが、慣れれば1~2分でできるようになりますし、フロスをしないと口の中がすっきりしません。

ぜひ、皆様もお口のお手入れに歯ブラシの他にフロスも取り入れ、お口の健康、そして体の健康に役立ててください。

たかが口内炎 されど口内炎!

担当 小森谷 和之

たかが口内炎 されど口内炎! 

お口の中にできる厄介もの「口内炎」。

じつはこの言葉にははっきりとした定義がなく、お口に炎症があればそれを「口内炎」と呼ぶ、という程度の大雑把な意味で使われています。「口内炎」なかで最も身近なのが白くポツッとでき、食事の時に痛くてしかたない「アフタ」。

何日か痛みに悩まされますが、いつのまにか消えるので「口内炎」というと「放っておけば治るから大丈夫」とつい思いがちです。

ところが、「口内炎」と俗称されるものには、「アフタ」のほかに、細菌やウイルス感染によるもの、カビによるもの、キズによるもの、全身疾患の症状がお口の中に出ているもの、さらには口腔がんが疑われる病変までが含まれ、放っておいてはまずい病気も多々あります。

何週間たってもよくならずに気になっている「口内炎」は、放っておかず、歯科に受診するようにしましょう。