6才臼歯
太田新田歯科医師会
ふじい歯科・小児歯科
院長 藤井 清親
今日は6才臼歯と呼ばれる大人の歯についてお話したいと思います。
よく6才臼歯という言葉を耳にすると思いますが、これは乳歯の奥歯のさらに奥に生えてくる永久歯で、6才頃に生えてくるので6才臼歯と呼ばれています。
この歯は一番大きくて、咬む力も最も大きい歯です。ですから、永久歯の中でもとても大切な歯なのです。
しかし、その反面、永久歯の中で一番初めにむし歯になってしまい、最もむし歯になりやすい歯でもあります。
なぜ、6才臼歯がむし歯になりやすいかというと、奥に生えるため、生え始めに気がつきにくく、生えきるために1年から1年半くらいもかかります。その間、歯の形も、咬む面の溝が深く複雑で、歯磨きしにくい形をしているからです。
ですから6才臼歯を磨くときは、小さ目の歯ブラシを斜めから入れて、6才臼歯の咬み合せの面だけを選んで磨きます。
ハブラシの毛先を歯にきちんと当てて、小さく前後に動かします。
少し長めに丁寧に磨いてみましょう。
6才臼歯がきちんと最後まで生え終わるのが、個人差もありますが、7~8才と言われていますので、その頃まで保護者の方が仕上げ磨きをしてあげてください。
永久歯は乳歯より固く、むし歯になりにくいと言われていますが、特に生え始めてから2~3年はまだ歯自体が未熟で弱く、むし歯になりやすい状態ですので、気を付けて下さい。
もし、むし歯になってしまったなら、早めに治療を開始して下さい。
出たばかりの永久歯がむし歯になると、進みが早く、痛みを感じる頃には見た目には小さくても、中は深く大きく広がっていることが多いからです。
また、6才臼歯を痛がるときはむし歯だけではありません。歯が出てきている途中で、歯の上に部分的にかぶさった歯ぐきを噛んで傷つけてしまうと、それだけでも痛いうえに細菌が侵入すると炎症が広がってズキズキ痛みを訴えることもあります。
その他にも腐骨と呼ばれる白い小さな塊が6才臼歯の咬み合せの所にかぶさっている歯ぐきの所につくことがあります。自然にポロッと取れることもありますが、ゴロゴロして噛むときに痛みがある場合があります。
歯の出方には個人差があって必ずしも6才に、6才臼歯が生え始めるとは限りませんが、まれに上下の前歯が4本ずつ生え変わっても、まだ6才臼歯が生えてこないことがあります。このような場合には、生えることを邪魔する何かがあると考えた方が良いでしょう。
変だなと思った時には早めに歯医者さんに受診して下さい。
永久歯の中でも特に大切な6才臼歯です。
少しでもむし歯にしないように、むし歯予防のフッ素のお薬を歯の生え方にあわせて塗ったり、シーラントと言って歯の溝に汚れが残るのを防ぐシールをしたり、十分気を付けてください。
そのためにも、定期的に歯科医院で検診、チェックをおすすめします。