歯磨きをする時の姿勢(体勢)~幼児期を中心に~

太田新田歯科医師会

MK 歯科クリニック

増田康展

 

小さなお子さん(小学生の低学年くらいまで)の歯磨きや仕上げ磨きをする時の、お子さんの姿勢はどんな状態でしょうか?

赤ちゃんであれば、寝かせた状態で磨く場合が多いと思います。保育園児や幼稚園児になると、お母さんやお父さんの膝の上に座ったり、椅子に座って仕上げ磨きをする方が多いのではないでしょうか?

お子さんのむし歯は、奥歯の歯と歯の間に最も多く出来てしまいます。特に、上の奥歯の歯と歯の間に多く出来ます。なぜ、歯と歯の間がむし歯になりやすいかというと、そこに歯ブラシが当たらないからです。そして、汚れが取れないからです。

歯と歯の間の汚れを取る為には、デンタルフロス(糸ようじ)を使う必要があります。そして、歯ブラシとフロスを使って上手に汚れを取る為には、歯磨きや仕上げ磨きをする際に、お口の中と磨く歯がよく見える事が重要です。

膝の上や椅子に座った状態ですと、下の歯は見やすく磨きやすいですが、上の歯はあまり見えずに磨きにくい事が多いです。ですから、上の歯も下の歯を磨く姿勢に近い状態にしてあげる必要があります。寝かせた状態でも、座った状態でも、頭を後ろに反らせた状態にして下さい。その際、枕やタオルを首の後ろにあてて使うと良いと思います。

この様な状態にして上の歯(歯列)が奥歯までしっかり見える状態ですと、歯ブラシがよく当たり、フロスもしやすくなります。

歯磨きや、仕上げ磨きの時に動いてしまう小さなお子さんの場合は、寝かせた状態で、肩のあたりから腕を挟んでまたがって座る(馬乗りの)状態で磨いてあげると動きが少なくなり、スムーズに磨く事が出来ます。その際も、上の歯を磨くときは、枕やタオルを使って頭を反らせて下さい。

短い時間で、しっかり汚れが取れる歯磨きや仕上げ磨きであれば、お子さんも段々と理解して、落ち着いた状態で歯磨きが出来るようになります。

そして、かかりつけ歯科医院の定期的なお口のチェックや、歯科医師、歯科衛生士の適切なアドバイスを受けて、上手に歯磨きが出来るように心がけましょう。