歯と口の健康フェア~歯っぴぃライフで8020~

太田新田歯科医師会

尾内歯科医院

尾内正芳

太田新田歯科医師会では、「むし歯予防デー6月4日」にちなみ6月5日(日)イオンモール太田2Fイオンホールにて、午前10時から午後5時まで、「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」と題し、市民の方々への歯科情報の提供、口腔ケアに対する意識の向上をして頂くことを目指したイベントを開催します。

今回のフェアの内容は

  • ミニ市民公開講座

(歯科医師、衛生士、技工士、栄養士、それぞれの専門分野における20分程度の講演)

  • 歯磨き指導 フッソ塗布
  • 位相差顕微鏡(自分の歯垢の中の細菌観察)
  • 歯型採り
  • 血管年齢測定 骨密度測定
  • 歯科相談
  • 血圧測定 栄養相談
  • バルーンアート

歯、歯肉、口の中の疾患は、全身の健康に大きく影響します。この健康フェアを機に、歯と口の状態に関心を持っていただき、日頃の口腔ケア、口腔管理に役立てて頂きたいと思います。小さなお子様からご年配の方々まで元気で楽しく健康ですごせるように、さまざまなイベント、健康情報を準備し企画をしております。ぜひご来場お待ちしております。

またこのフェアは、過日、市内小中学生を対象に応募いただいた歯科保健啓発図画ポスター標語コンクールの優秀作品の展示会を兼ねております。こちらの方もご覧になっていただきたいとおもいます。

「歯と口の健康フェア」は、今回で22回目の開催となります。去年は1500名以上の方々に来ていただきました。今回はぐんまちゃんが応援に駆けつけてくれることにもなっていますので、ゆるキャラファンの方々も含めて沢山の方々のご来場をおまちしております。またご来場の方々には素敵なプレゼントも用意しておりますので、ぜひお立ち寄りください。

第16回市民公開講座 開催報告

太田新田歯科医師会 

16回市民公開講座 開催報告

 

日時:平成27年11月14日(土)午後2:00~午後4:00

場所:太田市学習文化センター(太田市飯塚町1549-2)

主催:一般社団法人 太田新田歯科医師会

口の中のがんの怖さ

~手術しますか?それとも予防しますか?~

小雨が降り続く寒い陽気ではありましたが、足元の悪い中多くの市民の方々にお集まりいただき、第16回市民公開講座が開催されました。

今回は、群馬大学大学院医学系研究科顎口腔科学分野教授の横尾 聡 先生を講師としてお招きし、口の中の「がん」をテーマに御講演して頂きました。

 

口の中にできるがん「口腔がん」は、舌がん、上顎歯肉がん、下顎歯肉がん、頬粘膜歯肉がん(頬の内側の粘膜のがん)、口底がん(下の歯肉と舌の間のがん)、硬口蓋がん(上顎の真ん中の硬いところのがん)の6カ所をいいます。

口腔がんは、直接見ることができるため初期症状を発見しやすいですが、認知度が低く進行するまで放置されやすい病気です。標準治療は手術療法しかないため患者さんにとっては非常に大きな負担がかかります。しかし、早期の段階で適切な治療を行えば、9割は完治が見込める病気です。

口腔がんの年間罹患者数は全国で7,000人程おり、がんの中では頻度は少ないですが、進行した口腔がんの手術においては、顔面が欠損するのでQOL(Quality Of Life)が低くなってしまいます。しかし、血管縫合の技術の進歩によって再建手術を行うことにより、社会的生命の回復が可能になりました。ただし、切除手術と再建手術は同時に行うので手術時間が10時間以上かかることは珍しくありません。

群馬県では、口腔がんを扱っているのが群馬大学だけであり、そのうちの9割を口腔外科、顎顔面外科が扱っています。2013年においては年間121人の患者数があり全国で1位となりました。また、横尾教授が赴任されてから7年が経過し、以来行った200例以上の手術は1例の失敗もないという事でした。

講演では、口腔がんの手術写真を動画で紹介しながら、がんが進行すると顎の骨を削ったり、鼻や顔の皮膚、首のリンパ腺なども切り取る必要があり、「口の中の物をちょっととればいいというものではなく、非常に怖いものだという事を身に付けてほしい」と話されました。

口腔がんは約70%が歯科医院で発見され、全体の約80%が口腔外科で診療されています。また、喫煙や飲酒は発生率を高めることがわかっています。

発がんの前兆をキャッチするために気をつけてほしい3つの口腔粘膜疾患があります。食べ物を口の中に入れた時にしみる口内炎や、板状や斑状に白くなる口腔白板症、主に頬粘膜に見られ白色にレース状になる口腔扁平苔癬です。口内炎の多くは、1,2週間で治りますが、長く続く場合は要注意です。がんは小さいと痛みを感じないことが多く、そのために発見されにくく放置されてしまう病気です。がんが小さい早期の段階なら30分程度の簡単な手術で済み、転移する前の初期の段階で発見する事が治療の負担を大きく減らすことになります。毎日1回は口の中をチェック。日頃から口の中の事に注意して頂くことが早期発見につながります。そのためには、「禁煙節酒」に努めること、口腔がん検診を受診すること、定期的に歯科医院で検診すること。と市民の皆様にわかりやすく、大きな手術にならないよう予防することの大切さを説明され、終演となりました。

 

文責 太田新田歯科医師会 市民公開講座運営委員会

委員長 増田康展

口腔内乾燥について

太田新田歯科医師会

古室歯科クリニック

古室 浩明

先日、ある患者さんから「歯の尖っている部分が舌に当たって痛い」と言われました。口の中を診させてもらいましたが、特別尖っている部分はありません。どこが痛いか患者さんに舌でさわってみてもらうと、歯と詰め物の段差の所でした。研磨して痛くなくなったとのことでしたが、通常問題にならないほどわずかなものです。

よくみると口の中がカラカラに乾いており、唾液がとても少ない。唾液が不足すると、舌や頬の粘膜の滑りが悪くなり傷や口内炎ができやすくなってしまいます。この方の場合、唾液が不足したためわずかな段差の所で舌に小さな傷ができてそこが痛くなったのだと思われます。

唾液が少なくなると、口内炎ができやすくなるだけではありません。唾液には免疫成分が含まれるため、これが減ればむし歯や歯周病にかかりやすくなりますし、ものを飲み込みにくくなったり喋りにくくなったりします。他には口が臭う口臭の原因になったりします。

とかく嫌われがちの唾液ですがいざ少なくなってみるといろいろと困る事も多く、日常生活の中でとても役に立っていることがわかります。

唾液の不足する原因やその治療法は様々です。心当たりがあればかかりつけの先生に相談してみるといいと思います。

喫煙と歯周病

太田新田歯科医師会

幸生歯科医院

山田 幸生

タバコが歯周病とその治療に大きな影響があることは、意外に知られていないのではないかと思います。

歯周病とは歯を支えている歯肉や骨に起こる炎症性の疾患です。歯肉から出血したり、膿が出たりして重症になると、歯がグラグラになり、やがて抜けてしまいます。

基本的には細菌による感染症です。しかし、発症や進行には、多くの危険因子が関与しています。

例えば糖尿病などの全身疾患、ストレス、歯ぎしり、食いしばりなどの咬合習癖、女性ホルモンの変化、喫煙などです。これらの中で喫煙が最大の危険因子です。喫煙されている方の歯肉はニコチンによる血管収縮作用により、慢性的な血行不良をおこしています。そのため歯肉に酸素や栄養が欠乏します。

また細菌と戦ってくれる白血球が大幅に減少してしまいます。それに炎症があっても出血しにくくなっているため、気付きにくい傾向にあります。喫煙者は喫煙未経験者の4倍歯周病にかかりやすく、本来の歯の寿命が10年短くなり、2倍多く抜けると言われています。

歯周病の治療は患者自身によるブラッシング、歯科医院での歯垢、歯石の除去により細菌を減らし、かみ合わせのずれがあれば調整を行うなど、マイナスの要素を取り除き、生体が治癒できる環境を作るのが中心です。

しかし、先程話しましたように喫煙されている方の歯肉は血行不良により、治癒力が非常に乏しく、薬も効きにくいため進行を止めることも難しいのです。長い間の喫煙によってダメージを受けた組織は禁煙をしても元通りにはなりませんが、治癒力は少しずつですが回復していきます。1日でも早くやめていただくことが大切なのです。「タバコが体に悪いのは分かっているよ」とみなさんおっしゃいますが、まだまだ軽く考えている方が多いように思います。

日本ではタバコ関連疾患で、年間約20万人の方々がお亡くなりになっています。受動喫煙でも7千人です。「習慣だから」と何気なく毎日吸い込んでいるその煙。今一度立ち止まって考えてみませんか?日々に暮らしが10年後20年後の自分を作ります。

大切な家族のため、ご自分のため、1日も早く、タバコから解放されて自由になりましょう。

私たち歯科は、みなさんの禁煙を応援しています。

ノド飴とムシ歯

太田新田歯科医師会

おおばら歯科医院

松本 文男

長く続くノドの痛みや、咳などで、普段から飴をなめる習慣がある方もいらっしゃると思います。ノドがつらい時に、たまになめる程度なら何も問題ありませんが、飴が習慣になり、次々と長時間なめ続けるようになっている方は、ムシ歯に気をつけて下さい。

我々、日常の診療の中で、久しぶりに来院された方のお口に、突然ムシ歯が多発していて驚く事があります。不思議に思い、良く話を伺うと、実はノドの調子が悪くて四六時中ノド飴をなめているということがありました。また別の方ですが、禁煙をしてから気を紛らわすために、いつも飴を口に入れていると言う事もありました。ほとんどの飴は砂糖を多量に含んでいます。それが絶えず口の中にあった事で急激にムシ歯が出来てしまったと考えられます。

甘いものがムシ歯を作るということは、良く知られていると思います。口に砂糖などの糖類が入ると、ムシ歯菌によって酸が作られ、口の中が酸性になり歯が溶け始めます。歯を磨けばすぐ元に戻りますし、たとえすぐに歯磨きしなかったとしても、通常は唾液の作用でしだいに中和されます。しかし、続けて長時間飴をなめているような時には、その間ずっと口の中が酸性の状態が続き、ムシ歯が進行してしまうわけです。

ノド飴によるムシ歯を防ぐには、まず第一に口の中を長く酸性の状態にしない、つまり飴を何個も何個も続けて、長く舐め続けないようにすることです。出来るだけ必要最小限の量にした方がいいです。そして第二にキシリトールなどシュガーレスの飴を選ぶようにすることです。ただ気をつけていただきたいのは一般的なシュガーレス表示は糖類が0.5%未満のものを指し、必ずしも砂糖がゼロとは限りません。シュガーレスだからといってムシ歯になる恐れが無いわけではありませんので、過信しては行けませんが、そうで無いものよりはムシ歯のリスクは減少します。ノド飴を選ぶ時には成分表示の、特に糖質に良く注意してみて下さい。

ノドがつらい人にとっては切実な事ですが、ノド飴の常用はむし歯を作りやすいと言うマイナス面がある事を認識していいただき、またノド飴だけに依存せず、水分摂取やうがいなど他の方法も併用して対処していただきたいと思います。

そして、しばらく飴を手放せないでいた方は、ムシ歯が出来ていないか、ぜひ歯の検診を受けて下さい。