親知らずについて

太田新田歯科医師会
おおた阿部歯科クリニック
院長 阿部 義則

今日は痛い、腫れるなど悪いイメージしかない『親知らず』についてお話したいとおもいます。

親知らずとは大臼歯といわれる大人の奥歯の中で一番後ろに位置する歯であり、正式には第三大臼歯といわれ智歯ともいいます。通常、永久歯は15歳前後で生えそろいますが親知らずは10代後半から20代前半に生えてきて、親に知られることなく生えてくる歯であることから『親知らず』といわれています。

全ての人が4本生えてくるわけではなくて本数はばらばらで全く生えてこない人もいて個人差があります。

親知らずが痛くなる原因の多くは『智歯周囲炎』といい、親知らずの周りの歯茎が炎症を起こしている状態です。これは親知らずが生えてくる位置が一番奥でブラッシングしづらいことや、部分的に歯茎が被っていたり、横向きになっていたりと生え方が原因で起こります。

治療法としては炎症が強い場合は、抗菌剤や消炎鎮痛剤の投与を行い消炎後に抜歯するか否かを判断します。初めて症状が出た場合は消炎後、様子をみることがありますが、腫れを何度も繰り返している場合は抜歯をおすすめします。

親知らずの抜歯では上顎の場合、骨が軟らかいこともあり比較的簡単に抜けて術後の痛みもあまりありません。一方、下顎の場合は大部分が骨の中に埋まってたり、横向きになっていたり、親知らずの位置によって抜歯の難易度がかわりそれによって術後の症状も異なります。それと下顎の場合は神経と血管の走行と親知らずの根の位置が近い場合もあるので抜歯するときは必ず術前にレントゲンやCTで位置の確認をしましょう。

基本的には抜歯をする時期に決まりはありませんが、患者さんの病気の既往歴や服用中のお薬の種類によっては抜歯を中止したり、お薬を休薬したりする場合もあります。

また、妊婦さんの場合は時期にもよりますがお薬の投薬に制限が生じたり、抜歯の可否を産科のドクターに相談したりと大変になる場合もあります。

いずれにせよ痛みは待ってくれませんので痛くなくても予防的に抜歯するのも1つの方法ではないでしょうか。

H28,11.17 乳幼児摂食機能研修会

平成28年11月17日(木)

太田新田歯科医師会 公衆衛生委員会

担当理事 尾内正芳

乳幼児摂食機能研修会

~乳幼児健診における食機能支援のポイント~

群馬県健康福祉部保健予防課

群馬県歯科口腔保健支援センター

歯科医長 石田圭吾 

平日にも関わらず、女医会の先生方を始め多くの先生方にご参加を頂き、群馬県健康福祉部保健予防課歯科医長の石田圭吾先生を講師にお迎えして、太田新田歯科医師会館において研修会を開催致しました。

内容で多くを占めていたのは、乳幼児の摂食・嚥下に関してでした。太田新田歯科医師会でスタートさせようとしているモデル事業である1歳児検診に関して、検診を円滑、かつ参加者を充分に満足・安心させることが出来る内容が盛り込まれておりました。

摂食・嚥下の発育段階に関しては、過去学生時代に学びました。また自身や周囲の人の育児に関わることでも実践しておりましたが、忘れてしまったことが多く、我流に頼ってしまっていた点があることに気付かされました。

摂食・嚥下の流れを再度確認しただけではなく、時期ごとの特徴や注意点を学ぶことが出来ました。一方、必ずしも発達のカスケードに従わないという点の確認も重要と思われました。

乳幼児のみならず、その保護者に対する接し方のポイント、観察の視点も実践をされている石田先生ならではのアドバイスもあり、会場を盛り上げて頂きました。

モデル事業とはいえ、1歳という母子ともに非常にデリケートな時期に検診をすることに不安がありましたが、講演の内容はボリュームがあり不安を払拭することが出来ました。

今回の講演で得た知識は、他の乳児・幼児の検診にも応用することができ、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。

H28,11,17 乳幼児摂食機能研修会

乳幼児摂食機能研修会

 

文責  公衆衛生委員会 生方真人

歯並びを悪くする原因はなに?

太田新田歯科医師会

自立支援医療機関 顎口腔機能診断施設

ファミリー歯科・矯正歯科クリニック

院長 伊谷野 秀幸

 

歯並びを悪くする原因はなんでしょうか?歯並びの悪くなる原因は、大きく分類して後天的な原因と遺伝的な原因に分けられます。今回は後天的な原因についてお話させていただきます。後天的な原因の一つは成長期に虫歯ができてしまい早期に歯が抜け落ちてしまうことが考えられます。

残っている歯が横に傾いてしまい永久歯が出てくるスペースが無くなり、歯がバラバラに並んでしまいます。また、永久歯が早く出てきてしまっても同様な現象が起こってしまいます。もう一つの原因は悪習癖です。

子どもの歯並びを悪くする原因には、口に関する癖が影響している場合があります。どのような癖が歯並びやあごの成長に影響してくるのかについてご紹介します。

思い当たる症状がある場合は矯正専門医院を受診して相談してみましょう。

・指しゃぶり

指しゃぶりは3歳くらいまでは誰でも行うものです。小学校にあがっても指しゃぶりが残っている時は要注意です。この時期は永久歯の前歯も生えてくる時期で、歯並びに影響してしまいます。顎の発育にも影響を及ぼし、骨格性の不正咬合も誘発してしまいます。

症状:上顎前突症(出っ歯)、下顎前突症(反対咬合)、開咬、交叉咬合など

・舌癖(ぜつへき)

舌の使い方が悪いと舌が歯を強く押して、前歯の突出が起こってしまいます。また、顎の成長に影響を与えることがあります。

症状:開咬、上顎前突症(出っ歯)、骨格性下顎前突症(反対咬合)など

・咬爪癖(こうそうへき)

爪を咬む癖も歯並びを悪くする一つです。

爪を咬むことで、咬みこむ歯に力が強く加わり歯が動いてしまいます。

症状:上顎前突症(出っ歯)、過蓋咬合、叢生(らんぐい歯)など

・咬唇癖

唇をかみ締める癖も歯に部分的に強い力が加わり不正咬合になってしまいます。

咬唇癖があると歯並びが悪くなるだけではなく、下顎の成長にも影響を与えます。成長期の子どもで、いつも下唇癖があると下顎の成長不良を起こしてしまいます。

症状:上顎前突症(出っ歯)、過蓋咬合、叢生(らんぐい歯)、開咬など

・頬杖

頬杖を長時間していると頭の重さで、下顎が変形してしまい上下の咬みあわせにズレが生じてしまいます。外科的に手術を行って改善しなければならない場合があります。

症状:顎変形症など

第17回市民公開講座開催のご案内

介護保険が導入された平成12年から始まった太田新田歯科医師会の市民公開講座、今年からは太田市との共催となり、より細やかなテーマに対応できるものと期待しています。

さて、今年は「摂食・嚥下障害とリハビリテーション」を題材に講座を開催します。健康・長寿の国日本ですが、高齢者の健康寿命延伸こそが医療・介護のテーマです。そこで今回は国内の第一人者である馬場尊先生、足利赤十字病院リハ科の尾崎健一郎先生をお招きし、その病態からリハの実際までわかりやすく解説していただきます。

この講座で正しい知識を得、皆様の健康寿命の延伸に役立てていただければ幸いです。

第17回市民公開講座開催のご案内

歯磨きをする時の姿勢(体勢)~幼児期を中心に~

太田新田歯科医師会

MK 歯科クリニック

増田康展

 

小さなお子さん(小学生の低学年くらいまで)の歯磨きや仕上げ磨きをする時の、お子さんの姿勢はどんな状態でしょうか?

赤ちゃんであれば、寝かせた状態で磨く場合が多いと思います。保育園児や幼稚園児になると、お母さんやお父さんの膝の上に座ったり、椅子に座って仕上げ磨きをする方が多いのではないでしょうか?

お子さんのむし歯は、奥歯の歯と歯の間に最も多く出来てしまいます。特に、上の奥歯の歯と歯の間に多く出来ます。なぜ、歯と歯の間がむし歯になりやすいかというと、そこに歯ブラシが当たらないからです。そして、汚れが取れないからです。

歯と歯の間の汚れを取る為には、デンタルフロス(糸ようじ)を使う必要があります。そして、歯ブラシとフロスを使って上手に汚れを取る為には、歯磨きや仕上げ磨きをする際に、お口の中と磨く歯がよく見える事が重要です。

膝の上や椅子に座った状態ですと、下の歯は見やすく磨きやすいですが、上の歯はあまり見えずに磨きにくい事が多いです。ですから、上の歯も下の歯を磨く姿勢に近い状態にしてあげる必要があります。寝かせた状態でも、座った状態でも、頭を後ろに反らせた状態にして下さい。その際、枕やタオルを首の後ろにあてて使うと良いと思います。

この様な状態にして上の歯(歯列)が奥歯までしっかり見える状態ですと、歯ブラシがよく当たり、フロスもしやすくなります。

歯磨きや、仕上げ磨きの時に動いてしまう小さなお子さんの場合は、寝かせた状態で、肩のあたりから腕を挟んでまたがって座る(馬乗りの)状態で磨いてあげると動きが少なくなり、スムーズに磨く事が出来ます。その際も、上の歯を磨くときは、枕やタオルを使って頭を反らせて下さい。

短い時間で、しっかり汚れが取れる歯磨きや仕上げ磨きであれば、お子さんも段々と理解して、落ち着いた状態で歯磨きが出来るようになります。

そして、かかりつけ歯科医院の定期的なお口のチェックや、歯科医師、歯科衛生士の適切なアドバイスを受けて、上手に歯磨きが出来るように心がけましょう。