お口の健康寿命が延びる?!「かかりつけ歯科衛生士」を見つけよう!

太田医療技術専門学校 歯科衛生学科

教員 西山 裕佳

 

お口の健康寿命が延びる?!「かかりつけ歯科衛生士」を見つけよう!

皆さん、こんにちは!歯科衛生士の西山です。

私は太田医療技術専門学校歯科衛生学科で教員の仕事をしています。私自身も本校の卒業生です。歯科医院や病院での勤務を経て母校に戻り早9年…国家試験問題の傾向が変わり、歯科衛生士に求められる知識や資質が多様化してきていると感じています。しかし、どんなに時代が変わっても患者さんからありがとうと感謝されると身体中からパワーがみなぎるほど嬉しいことに変わりはありません。本校を卒業していく学生たちにも、国家試験に合格し歯科衛生士のスタートラインに立った時、今日お話しするような誰かのために働ける歯科衛生士になってもらいたいと思っています。

先月、毛呂先生が健診と検診のお話をなさっていました。皆さんは歯科医院に定期的に通っていますか?行っているけど行くたびに担当の歯科衛生士さんが違う、なんて経験はありませんか?「行くたびに違う人だとちょっと話しづらいな」「私の歯のことどこまで覚えてくれてるんだろう?」と感じたことがあるのではないでしょうか。

そこで今回、皆さんにお伝えしたいのが「かかりつけ歯科衛生士」という存在です。まるであなたのお口のパーソナルトレーナー!ただのお口の専門家じゃない、「あなたの」お口の専門家!出会ってみたくないですか?

『お口の健康が全身の健康寿命を延ばす』

ご存じでしょうか?お口の健康は、全身の健康に深く関わっています。例えば、歯周病が糖尿病や心臓病のリスクを高めたり、口の機能が衰えることが全身のフレイル(虚弱)に繋がったりします。かかりつけ歯科衛生士と二人三脚で定期的にケアを続けることで、いつまでも自分の歯で美味しく食事をし、楽しく会話ができる。それは、皆さんの健康寿命を延ばすことに直結します。

『かかりつけ歯科衛生士の役割』

歯科衛生士は、歯をきれいにするだけでなく、虫歯や歯周病の予防、正しい歯磨きの指導、食生活のアドバイスなど、お口の健康を守るプロフェッショナルです。

その中でも、かかりつけ歯科衛生士は、同じ患者さんを継続して担当することで、より深く皆さんの状況を理解します。自分では気づきにくいお口の中の小さな変化、例えば歯ぐきのわずかな腫れや新しい虫歯の兆候などをいち早く発見できます。また、「最近、食べ物が詰まりやすくなった」「歯磨きすると血が出る」といったちょっとした疑問や不安にも、これまでの状況を踏まえて的確なアドバイスをすることができます。あなたのライフスタイルに合わせた最適な予防法を一緒に考えてくれる、心強いパートナーになります。では、どうしたら「かかりつけ歯科衛生士」を見つけられるのでしょうか?

まずは、定期検診やクリーニングで歯科医院を受診してみてください。そして、もし信頼できる歯科衛生士さんに出会えたら、「これからも〇〇さんに担当してもらえますか?」と、直接尋ねてみるのも良いと思います。
地域の方から、患者さんから、そんな風に慕われる歯科衛生士がたくさん増えてほしいと思っています。歯科衛生士の役割は大きいです。これからの歯科衛生士の活躍にご期待ください!

歯科健診について

一般社団法人太田新田歯科医師会

もろ歯科医院

院長 毛呂 慎

 

歯科健診について

 

学生の頃、春先になると歯科健診があって、その結果に一喜一憂したものです。「むし歯があります。歯科医院に行って治療を受けてください」なんて書かれていたらもう目の前が真っ暗になります。待合室で待っていると歯を削るキーンっていう音、子供の泣き声、歯医者独特の匂いなど…できることなら近寄りたくない場所への有り難くない切符。

そもそも自分たちでむし歯を見つけておいて、さぁ歯医者で治しましょう?…「それってズルくない?訳わからんわ」となりますよね。

そこで今日は誤解されがちな歯科健診の本当の意義をお話しします。「けんしん」には健診と検診があります。前者は健康かどうか、病気になりそうかどうかのチェック。後者はある特定の病気になっているかどうかのチェック…です。当然歯科健診は前者です。

歯科の二大疾病はむし歯と歯周病です。どちらも基本的には自然治癒が見込めず、良くて現状維持、基本的には少しずつ悪化する流れになります。それだけに早期発見・早期治療が推奨されてきた訳です。もちろんその前段階である予防が一番重要なのは当然ですけど…。

むし歯はフッ素の普及や口腔への関心が増したこともあって昔と比べれば少なくなってきています。ところが歯周病については24歳から65歳では未だに国民のほぼ半数近くが罹患していて『国民病』と言われているほどです。

実は歯科健診は母子保健法と学校保健安全法という法律で定められているのですが、その実施が義務とされているのは高校生までなんです。つまり大学生や就職して社会人になると、自分から積極的に受けようとしない限り健診を受けるチャンスは無くなってしまう訳です。

働き盛りと言われている世代の口腔健康管理が手薄になっているのが現状です(…75歳以上になると『高齢者の医療の確保に関する法律』で歯科健診が実施されるようになります)。実感としてお分かりかもしれませんが、むし歯は20代までの若者に多く見られ、歯周病は30代以降に増加します。つまり現実的には学校歯科健診では直接歯周病を拾い上げることはごく稀です。でも歯肉炎を早めにチェックすることで将来歯周病になるリスクを減らせる訳です。

歯科健診はスクリーニング検査と言われていて、無症状の人を対象に検査を行い特定の疾患の発症患者や発症リスクを有する人を篩(ふるい)にかけるものです。確かに健診は歯科医院の診療室と比べて照明や器材などの点でハンデがあります。そこで近年では歯科医師もヘッドライトを装着したり、健診時の体位を工夫するようにしています。

それでも「むし歯はありません」と言われても、運悪くそのフィルターから漏れてしまう場合もあります。不謹慎かもしれませんが「問題があるのにチェックに引っかからなかったのと、チェックに引っかかったけど問題がなかった」場合、健診を受ける人がダメージを受けるのは前者なんです。

だから、歯科健診とは将来のむし歯や歯周病のリスクを減らすために、仮に問題がないと言われても若いうちから歯科医院で定期的にチェックを受ける習慣を持ってもらう一つのきっかけになればいいなと考えています。

令和7年度 第31回 歯と口の健康フェア ~歯っぴいライフで8020~

太田新田歯科医師会
公衆衛生委員会担当理事

MK歯科クリニック
院長 増田康展

令和7年度 第31回 歯と口の健康フェア ~歯っぴいライフで8020~

 

太田新田歯科医師会では、「6月4日 むし歯予防デー」にちなみ6月1日(日)イオンモール太田2Fイオンホールにて、午前10時から午後3時まで「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」と題し、市民の方々への歯科情報の提供、口腔ケアに対する意識の向上をして頂く事を目指したイベントを開催します。

今回で31回目の開催となる「歯と口の健康フェア」ですが、一昨年はコロナ禍の為4年ぶりに規模を縮小して開催致しました。今年も昨年同様、感染対策に留意しながらもコロナ前のような活気のあるイベントにしたいと思っております。また、太田市内の小中学生を対象にご応募いただいた歯科保健啓発図画ポスター標語コンクールの優秀作品の展示会も兼ねております。

今回の内容は

・お口の中のバイキンを見てみよう(位相差顕微鏡)【太田新田歯科医師会】

・歯科相談【太田新田歯科医師会】

・フッ素を塗って丈夫な歯、歯みがき指導【群馬県歯科衛生士会東毛支部】

・手・指型とり体験【太田歯科技工士会】

・栄養に関する情報展示/ぬりえ・子供向け魚釣りゲーム【太田栄養士会】

・血圧・体脂肪率測定/健康・介護相談【群馬県看護協会太田地区支部】

・太田地域・職域連携による健康づくり普及啓発【太田地区・職域連携推進協議会】

・「歯科保健啓発図画ポスター標語コンクール」優秀作品展示【太田市教育委員会、太田市学校保健会・太田保健福祉事務所】

 

・ミニ市民公開講座

11:00 人生健康でいられるためには? ~健診から始まる歯科との付き合い方~ 【太田新田歯科医師会】
11:30 歯の栄養の紙芝居 ① 【太田栄養士会】
13:30 歯の栄養の紙芝居 ② 【太田栄養士会】
14:00 歯科訪問診療って? 【太田新田歯科医師会】

このフェアを機に、歯と口の状態に関心を持っていただき、日頃の口腔ケア、健康管理に役だてて頂ければ幸いです。入場は無料でご来場の方々にはプレゼントもご用意しておりますので、ぜひお越しください。

その皮膚トラブルはお口の中かも?

一般社団法人太田新田歯科医師会

尾島デンタルクリニック

理事長 林崎 雅樹

その皮膚トラブルはお口の中かも?

私たち歯科医師が診療の中で直面することの一つに「金属アレルギー」があります。金属アレルギーとは、身体が金属に反応してアレルギー症状を引き起こす状態を指します。歯科治療では銀歯や詰め物、義歯の金属部分など、口の中に使用される金属が原因となることがあります。

金属アレルギーの症状は、口の中に限らず、手や足、全身に湿疹やかゆみ、ただれといった皮膚トラブルとして現れることが特徴です。そのため、皮膚科で長年治らない湿疹の原因が、実は口の中の金属だったというケースも少なくありません。

金属アレルギーの原因となる金属には、ニッケル、クロム、コバルト、パラジウムなどがあり、歯科材料に一般的に含まれています。特に保険診療で使われる銀合金には、これらの金属が多く含まれているため、過去に治療を受けた部分が長年経ってからアレルギー反応を起こすこともあります。

対策として、金属アレルギーが疑われる患者さまには、可能であれば皮膚科でのパッチテストによる検査を勧めています。その結果をもとに、使用する材料を慎重に選定します。現在では金属を使用しないメタルフリー治療も進化しており、アレルギーの不安を抱える方でも安心して治療を受けていただける選択肢が増えています。

口の中の小さな金属が、全身の健康に影響を及ぼすことがあるのです。皆さまの全身の健康を守るために、金属アレルギーへの理解と対策は非常に重要だと感じています。

ご自身が金属アレルギーかもしれないと感じた方、あるいは過去に歯科治療後から原因不明の皮膚トラブルが続いている方は、一度お近くの歯科医院でご相談されることをおすすめします。

太田新田歯科医師会 学術医療管理委員会について

一般社団法人太田新田歯科医師会

学術医療管理委員会 担当理事

おおばら歯科医院

院長 松本文男

 

太田新田歯科医師会 学術医療管理委員会について

歯科医師にとって知識と技能の研鑽は欠かせません。日々進歩する医療技術に対応し、また変化する社会のニーズに応えるために、我々歯科医師は普段からさまざまな研修を行っています。学術医療管理委員会ではおもに歯科医師の学術研修事業を行っています。

歯科医師にとって個人で学習する機会は多く、学会や研修会などが頻繁に開催されていますし、また論文や書籍などで新しい情報を入手する事も可能です。多くの場合それらから各々で選択していますが、個人の選択ではどうしても自分の専門や興味のある分野に内容が偏ることもあるでしょうし、また個人では聞けない話もあり、歯科医師会としてはそれらを補完するように、広く多くの歯科医師に役立つ研修を企画、運営しています。

一例をご紹介すると、昨年令和6年には耳鼻科の大学教授にお越し頂いて講演会を開催しました。歯科医が耳鼻科の勉強をするのは意外に思われるかもしれませんが、歯が原因で鼻の症状が出ることや、逆に鼻の病気が歯の異常を来すこともあり、重要な隣接領域とされています。さらに講師は医師と歯科医師の両方の免許を持つダブルライセンスドクターで、歯科医向けの耳鼻科の話には最適の方で、大変有意義な講演会でした。

また歯科医師を対象とした講習会以外にも、医院のスタッフ向けの講習会を毎年開催し、歯科医師だけでなく医院全体でのスキルアップを目指した活動を行っております。

太田新田歯科医師会では様々な研修事業を通じて、歯科医師の知識と技能の向上を目指し、ひいては患者さんが安心してより良い医療が受けられますように活動を続けてまいります。