虫歯・歯周病予防に効果的な歯磨き

日本人の歯磨き回数を調べた調査によると12回以上歯磨きをする人は昭和44年では約2割でしたが平成17年には約7割に増加しました。
しかし虫歯を持つ人の割合は
524歳では減少傾向にあるものの、25歳以降では横ばいなのです。諸外国に比べなぜ一生懸命歯を磨く人が増えたのに虫歯は減らないのでしょうか?
これは、
1990年代半ば頃まではフッ素配合歯磨き剤の割合が他の諸外国に比べて低かったというのが原因といわれています。

現在市販で売られている歯磨き粉のほとんどにはフッ素が入っていますので、毎日の歯磨きでどのように歯磨き粉を使うと効果的な虫歯予防になるのかについてお話します。

フッ素の効果は簡単にいうとフッ素が歯に取り込まれ酸に強い歯を作る、虫歯菌が酸を作るのを抑制するという働きがあります。
このような効果が得られるためにはフッ素濃度と比例します。日本では歯磨き粉に含まれる割合が法律で定められているため十分に効果を期待するには1度の歯磨きで使う量が重要となります。
効果的な量としては
1g以上の使用が推奨されています。2cmほどのはぶらしであれば2/3程度が目安です。歯ブラシをする前はフッ素濃度が薄まらないようにお口をゆすがないこと。歯磨きを始めるときは虫歯になりやすい奥歯から磨くこと。歯磨き後は約10cc位の量でお口の中をリンスするようにうがいしましょう。フッ素が歯の表面に定着して効果を発揮するには約2分の歯磨きが必要です。
長すぎてもフッ素の濃度が薄くなってしまうので丁寧にゆっくり磨きたい人は最後の
2分で歯磨き粉を付けて磨くとよいと思います。できれば歯磨きのあとはフッ素効果を維持するために約2時間は飲食をしないことを勧めます。

この方法は虫歯予防に対するご家庭でできる効果的なフッ素の使用法ですが、歯周病の予防では歯と歯肉の間の部分の歯垢の除去が重要です。これらの部分は歯ブラシが届きにくい場所でもあり、歯ブラシの毛先が歯肉に入り込むように45°くらいに当てること、歯間ブラシ、フロスなども併用し丁寧に時間をかけじっくり磨くことが大切です。

毎日の歯磨きもこんな工夫で虫歯、歯周病予防が上がります。ご家庭でできる虫歯、歯周病予防法の第1歩として皆様も今日から試してみてはいかがでしょうか。

 

喫煙と歯周病「タバコを知ろう!吸う人も吸わない人も!」

幸生歯科医院 山田幸生

歯周病とは歯を支えている歯肉や骨に起こる炎症性の疾患です。
歯肉から出血したり、膿がでたりして、重症になると、歯がぐらぐらになり、やがて抜けてしまいます。基本的には、細菌による感染症です。
しかし、発症や進行には、多くの危険因子が関与しています。例えば糖尿病などの全身疾患、ストレス、歯ぎしり、くいしばりなどの咬合習癖、女性ホルモンの変化、喫煙などです。
これらの中で喫煙が最大の危険因子です。喫煙されている方はニコチンによる血管収縮作用により、歯肉が慢性的な血行不良を起こしています。
そのため、歯肉に酸素や栄養が欠乏します。また、細菌と戦ってくれる白血球が大幅に減少してしまいます。また、炎症があっても出血しにくくなっている場合もあり、気付きにくい傾向にあります。
喫煙者は喫煙未経験者の4倍の確率で歯周病にかかりやすく、本来の歯の寿命が10年短くなり、2倍多く抜けるとも言われています。歯周病の治療は、患者さん自身によるブラッシング、歯科医院での歯垢、歯石の除去により細菌を減らし、噛み合わせのずれがあれば調整を行うなど、マイナスの要素を取り除き、生体が治癒できる環境をつくるのが中心です。
しかし、喫煙されている方の歯肉は血行不良により治癒力が非常に乏しく、薬も効きにくいため、進行を止める事も難しいのです。長い間、喫煙によってダメージを受けた組織は禁煙をしても、元通りにはなりませんが、治癒力は少しずつですが、回復していきます。1日でも早くやめていただくことが大切です。
それが、何よりの治療になるのですから。「タバコが体に悪いのは分かっているんだけど・・・。」と、みなさんおっしゃいます。
しかし、「タバコの煙に含まれている有害物質で何をご存じですか?」とお聞きしても、ほとんどの方は、ニコチンとタールぐらいしか答えられません。
タバコの煙には、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、70種類以上の発癌物質が含まれています。
例えば、ニコチンは致死量30~60㎎の猛毒です。本数にすると約2本分です。小さいお子様なら10~20㎎約0.5本分。ちなみに青酸カリの致死量は200㎎程度です。いかにニコチンが有害であるかわかりますね。
そのほか、一酸化炭素、これは、物が不完全燃焼すると発生する有毒ガスです。練炭自殺は一酸化炭素中毒ですね。ヒ素やナフタレンなどの殺虫剤の成分、和歌山カレー毒物事件でつかわれた毒物もヒ素でしたね。イタイイタイ病のカドミウム、ゴミの焼却で発生すると有名になったダイオキシン、つい先日利根川浄水場で検出されて問題になったホルムアルデヒドなどなど、いずれも猛毒です。
みなさん、ここで一つ、疑問に思いませんか、なぜ、タバコの葉っぱを紙にくるんで火をつけるだけで、そんなに多くの化学物質、有害物質、発癌物質が発生してしまうのか。それは、添加物が大きく関係しています。
タバコには、葉タバコに217種類、巻紙などの材料に133種類、合計で350種類もの添加物が、味や香り付け、乾燥を防ぐため、保存料などの目的で使われています。これらの添加物を含んだ葉タバコや巻紙を蒸し焼きにするため、化学物質が燃焼という化学反応を起こした結果、多くの有害物質が発生してしまうのです。
なお、吸っていないときに、先端から立ちのぼる副流煙は低温で不完全燃焼しているため、より多くの有害性があるのです。
「そんなに悪いものなら、売ってはいけないように法律で決めてくれればいいのに。そしたら止められるのだから。」という意見もよく耳にします。今現在、タバコは国が認めた合法的な嗜好品という位置付けがされています。国はタバコによって、年間1兆3000億円の税収を得ています。
また、日本のタバコ会社の株の半分以上は国が保有しており、その配当金として毎年、約270億円も得ているのが現状です。したがって、今後もタバコの問題が急速に進展することは、期待できないでしょう。「タバコは殺す。だまされるな。」これは、
WHOによる2000年の世界禁煙デーのスローガンです。
日本では年間20万人の方が、タバコ関連疾患で亡くなっています。気付いた人から止めていくしかないのです。日々の暮らしが10年後、20年後の自分をつくります。早めの生活改善が大切だと思います。

有難うございました。

知覚過敏について

FM  TARO 2012/8/21
担当 松本 文男

今日は知覚過敏についてお話します。

知覚過敏とは虫歯ではないのに歯が痛んだり、しみたりする状態のことを言います。水を含んだ時などに歯がズキっと痛んだ事はないでしょうか。それが知覚過敏です。今の季節のように冷たいものを口にする機会の多い時期や、水道の水が冷たくなる冬に多くあらわれます。冷たい飲み物でしみる場合が最も多いのですが、熱いものや、甘いもの、あるいは歯磨きの時にだけ痛む場合など様々です。一般に知覚過敏は歯に刺激が加わった時にだけ痛みを感じるもので、何も刺激が加わらない時には痛みません。そして痛みはごく短時間で、ほとんどは数秒、長くても1分以内に痛みは治まります。

知覚過敏が起こりやすい歯には、主に2つのタイプがあります。1つは歯肉が下がって歯の根が露出している場合で、これは主に歯周病が原因で起こります。もう1つは歯肉との境い目付近や、咬み合う部分の歯の表面がすり減って薄くなっている場合で、これは歯ぎしりや食いしばりなどの咬みグセや、歯ブラシを当てる力が強すぎる場合などに起こります。歯の表面はエナメル質と言う非常に硬い組織に覆われています。このエナメル質には痛みなどの感覚はありませんので、歯の表面が完全にエナメル質で覆われていれば知覚過敏はほとんど起こりません。しかし、歯がすり減ってエナメル質が薄くなったり、もともとエナメル質に覆われていない歯根が露出すると、刺激が歯の神経に伝わりやすくなり知覚過敏が起こるわけです。

知覚過敏は症状が軽く、冷たいものを含んだ時など、ごくたまにしみる程度であればあまり心配いりません。少し冷たいものを控えて様子をみてください。歯の汚れが良く落ちていない時にも知覚過敏に似た症状が出ることがありますので、丁寧に歯磨きする事も大切です。また市販の知覚過敏用の歯磨き剤の使用も効果的です。

しかし、しみたり痛んだりするのが頻繁になってきたり、苦痛に感じるようになったら注意が必要です。歯科医院で詳しく調べることをお勧めします。
知覚過敏の治療にあたっては、まず刺激が伝わりやすくなった原因を良く調べます。歯磨きの仕方に問題があって歯を傷つけている時には、磨き方の改善を図ります。歯ぎしりなどが疑われる時はその対処をします。

そして初期の場合は歯の表面に、知覚過敏を抑制させる薬を塗る処置が行われます。
歯が大きくすり減っている場合は、虫歯治療と同じように、詰め物をしてすり減った部分を修復し、刺激を伝わりにくくします。
そういった処置で歯に加わる刺激が軽減されますと、ほとんどの場合、徐々に知覚過敏はおさまってきます。
しかし十分な改善が得られない場合もあります。そんな時は最終的な手段として、歯の神経を取る処置を行います。歯の神経を取ると知覚過敏は完全に無くなりますが、神経を取る事による弊害もあり、他の方法で改善が見込めない場合にのみ行われます。

以上が知覚過敏の治療の概要ですが、ご自分で知覚過敏かと思っていても、実は虫歯があったということも良くあります。気になるときはどうぞお気軽に歯科医院にご相談下さい。

親知らずの話

栗原章仁(クリバラアキヒト)
栗原歯科医院 ℡0276(52)0025

みなさんこんにちは、今日は親知らずのお話をさせていただきます。

ご存知の方も多いと思いますが、親知らずとは第三大臼歯のことで、智歯ともよばれていて、前から数えて8番目の歯になります。
大人になって生えてきて、親が知るよしも無いので、こんな名前が付いたみたいですね。
人によっては全く無いケースや、上だけとか左右どちらかだけ生えてくるとか、いろんなパターンがありまして、
ちゃんと正しく生えてくれれば問題ないのですけど、最後に生えるので往々にして並ぶべきスペースが狭いいため、斜めに生えたり、真横になったまま顎の骨の中にとどまったままになりがちです。

よく問題になるのはたいていの場合下あごの親知らずでして、しっかり生えてこないと、ときどきその周辺の歯肉や骨が炎症を起こし、うずいてきます。
いわゆる智歯周囲炎です。軽い症状のうちに歯科医院に行って抗生物質なり処方してもらい、
薬で抑えられればよろしいのですが、そのまま放置すると次の段階へ進み、周りの歯肉が腫れたり膿が出たりして、痛みも強くなってきます。
顎の動きが規制されることで口が開きにくくなり、ここまで来ると消毒や薬による治療をしても、症状がおさまるまで、2,3週間かかることもあります。

治療としては消毒や洗浄して薬を投与し、症状が落ち着いたところで、症状を繰り返す前に抜いてしまえば、それ以降症状は出にくくなります。
まれですが、最悪の経過をたどると筋肉と筋肉の隙間から顎の下の筋肉へ入り込み、さらには喉や首、そして胸の周辺にまで及ぶと、命にかかわる問題になりかねません。
夏場の暑い時期はみなさん体調を落としがちで、体の抵抗力が下がっているので、親知らずの症状が悪化しやすい季節です、症状が出たら早めに対処するのが得策です。

妊娠中の女性の方も親知らずの症状が出ても、赤ちゃんがおなかの中にいるから、薬は飲みたくないということで、そのまま放置して、重篤になってしまうケースも時々見受けられます、
症状が出そうな親知らずがお口の中にある場合、妊娠前に処置しておくのが望ましいですね。

以上、親知らずの話でした、ありがとうございます。

 

FM太郎6月

今日は子供さんの歯科医院へのかかり方と私たち、歯科医が子供さんの治療に対し気を付けていることについてお話ししたいと思います。
子供さんによって、初めて歯医者さんはかかる事は、年齢によっても違うとは思いますが、連れて行く保護者の方、そして子供さんにとっても緊張する場所かもしれません。
しかし、初めから歯科医院は怖いところというイメージを子供さんに植え付けないように、不安がらせないように気を付けて下さい。
小さなお子さんの場合は、お気に入りのおもちゃなどを持っていくといいでしょう。
診療室では、歯科医は保護者の方からお子さんの様子、症状を聞くところから始まりますが、なるべくくわしくお話しして下さい。
年齢にもよりますが、お子さんの訴えでは痛い歯が上下左右を聞くたびに違うことが良くあります。
レントゲンなど検査をする事が出来ない場合もあります。
ですから、保護者の方からのお話とお子さんの症状を診て、診査診断をし、治療方針を決めます。
小児歯科の治療は成人歯科と違い、歯科医と患者さんの1対1の関係ではなく、そこに保護者が入ります。
ですから、三者の信頼関係を得るためにも、気になることは遠慮なく聞き、お話して下さい。
処置や治療は、歯科医の説明や考えを保護者の方に納得してもらったうえで始めます。
年齢別に診ると、1〜2才児に対しては、歯科医の話かけがまだ理解できませんが、声の調子や表情などから、何らかの意味を感じとるので、やさしい言葉使いで話しかけながら治療するよう心掛けます。

また、大きな音を怖がるので気を付けます。
3〜4才児に対しては、こちらの話しかけの内容が理解出来るようになる反面、感情が発達してくるので、知らない人や見慣れない場所、予防注射などの経験から歯医者さんを怖い人と思い、治療に対し不安や恐怖を示します。
ですから、少しでも怖がらずに治療できるように、やさしい言葉使いで、歯科治療・・・がどうして必要なのか説明し、納得し治療するようにします。
5〜6才児になると、こちらの説明や説得を十分に理解できます。
そして、どうして虫歯治しをすることが大切か理解できるようになり、治療に対して辛抱できるようになります。
年齢にあわせ、子供さんに接し、治療するように私たち歯科医も努力しています。
また、一般的にどの年齢の子供さんに対しても、コミュニケーションをはかる、治療時間をなるべく短くする、待合室で長い時間待たせない、治療は能率的に行う、必要な時間以外はなるべく器具を見せない、痛みはなるべく与えない、子供にウソはつかない、治療内容をわかりやすく説明するなど注意をはかります。
ほとんどの場合、歯科医院へ行くのはお口の中に何らかの異常や病気を見つけてからでしょう。
でも、腫れたり痛くなったりしてから、診てもらうよりも虫歯にしないようにする予防処置もありますから、健康を確認するために歯がはえてきたら一度受診しましょう。

 

 

                  ふじい歯科・小児歯科

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