なぜ歯の治療は時間をかけなければならないのか?

太田新田医師会

おおたモール歯科

院長 八木 大輔

 

なぜ歯の治療は時間をかけなければならないのか?

 

患者様から、「歯の治療はどうして時間がかかるの?」という質問をよく耳にします。症状にもよりますが、歯医者での治療は複数回必要になります。今回は虫歯を例にあげてその理由についてご説明します。

まず虫歯は進行状況によってC1からC4の4段階に分かれます。癌にステージ4などがあるのと同様に、虫歯にもステージがあります。小さい虫歯は、光で固める樹脂で治せる虫歯です。基本的に1回で治療が終わります。もう少し大きくなると、硬い金属などの詰め物で歯を修復する必要があります。

虫歯菌が神経まで達してしまうと、ステージ3や4になります。痛みが出るのでこのタイミングで歯科医院に来られる方が多いです。神経を処置して歯を覆うかぶせ物の処置をするか、症状がひどい場合は、抜歯の対象になります。

神経というとなかなかイメージしにくいかもしれませんが、身体の動きや感覚をつかさどるとても大切な組織です。その一方、神経は一度ダメージを受けてしまうと、回復するのにとても時間がかかるという特徴があります。身近な例で説明すると、脳梗塞や事故で神経にマヒが出てしまった人はなかなか治らないですよね。

神経はとても繊細な組織なので、入り込んできた菌を自分の力で取り除くことができません。放置すると深いところに菌が侵入し、最終的にはあごの骨まで菌が達してしまいます。それを防止するために、歯科医院での治療が必要になります。

神経に入り込んだ菌は様々な器具や薬を用いて取り除いていくのですが、歯の中はとても複雑な形で枝分かれしているので、状況によっては一回の治療ですべて取り除くことは困難です。そのため薬で菌を殺したり、炎症を収めたりするために時間がかかるため、複数回の通院が必要になります。

また、神経と血管が亡くなった歯は、身体から栄養が送られないことで歯が弱くなってしまい、寿命が約半分になるとも言われています。

歯は、食事、見た目、発音、消化など、日常生活に関係しています。歯がたくさん残っている人ほど認知症になりにくいという研究結果もあります。

虫歯も歯周病も、重症にならないと症状が出ない病気であり、高血圧や糖尿病のような慢性疾患です。歯の異常について早期発見し計画的な治療をすることでご自身の大切な歯を抜歯せずに残すことが可能です。しばらく歯医者さんから遠ざかっている方は、ぜひお近くの歯医者さんに相談してみてください。

歯科医院でよく撮るレントゲン

太田新田歯科医師会

とりやま歯科医院

院 長 周藤 泰之

 

歯科医院でよく撮るレントゲン

 

最近、原子力発電所の問題・放射線被爆についてはメディアでも多く取り上げられ、皆様も気になっていることと思います。

歯科医院では、人体に影響があると言われている放射線(レントゲン)を使用して検査し治療を行っています。その検査は、正しい診断を受け治療に役立てていくために行うものです。

歯科医院で使用する放射線の量は、身体に影響が出ると言われている量よりもはるかに少ない量を使用しています。そして、必要な場所のみに必要最小限の放射線量で病気(むし歯・歯根の状態・歯周病の進行など)を見つけ正しい診断が下せるように検査を行っています。また、ここ近年歯科用レントゲンもデジタル化が進み、治療で使用する放射線の被曝量が、以前(フィルム)と比較して約1/4程になりました。よって放射線による影響を心配することはありません。

それでもなお、患者様の中には不安に思う方も多くいると思います。人は地球上で生活をしていると自然に放射線を浴びていることをご存知ですか?自然に浴びる放射線と歯科医院での放射線を比較してみます。

日常生活で自然に浴びる放射線が、年間約2.4mSvと言われています。ちなみに、東京からニューヨークまで飛行機で移動した場合、約0.2mSvの放射線を浴びることになります。対して 歯科医院でのレントゲンですが、1本ずつの歯を検査する小さいレントゲン写真1回約0.01mSv(自然に浴びる放射線の1/200程度)、顎全体を撮影するレントゲン写真でも約 0.03mSV(自然に浴びる放射線の1/80程度)、歯科用CTは約0.1mSvです。

尚、歯科医院でレントゲン撮影する際は、鉛のエプロンを着せることによって十分な防護を行っています。

放射線をもっとも気にするのが妊婦さんだと思います。妊娠初期にレントゲン撮影を受けて不安に思っている人や、妊娠に気が付かない時期にレントゲンを撮影して後日妊娠がわかって心配になってしまったなど。胎児に影響がでると言われているのは、受精後0~9日だと50~100mSvの被爆で受精卵の死亡、妊娠4~8週だと50~100mSvの被曝で奇形が発生する可能性があり、8週以降だと100~200mSvの被爆で精神発達遅滞が生じる可能性があると言われています。これらのことと比較すると歯科医院でのレントゲンがいかに少量かわかると思います。

レントゲンを撮影すると言うことは体に対して無害なわけではありません。しかし歯科医療では歯・歯周病の治療を行うのに何の根拠も無しに進めることは出来ません。

歯科医院でのレントゲン被爆量はごくわずかです。1日数枚撮っても身体にさほど影響はありません。レントゲンを撮ることでより正確な診断ができ、安全に治療を受ける為にもレントゲン撮影はとても重要なことです。被爆という言葉に惑わされず、症状が悪化する前に適切な診断の上、治療をすることをお勧めします。

入れ歯はいつも清潔に!

太田新田歯科医師会

MK歯科クリニック

院 長 増田 康展

入れ歯はいつも清潔に!

 

以前にも入れ歯の取り扱いついてお話しさせて頂きましたが、今回は入れ歯の洗浄についてお話しさせて頂きます。

入れ歯に付着する汚れには、細菌・真菌(カビ)・食べかす・歯垢・タバコのヤニや茶シブなどがあります。入れ歯はとても複雑な形態をしているので、時間をかけて丁寧にブラシでこすらないとなかなか汚れは落ちません。特に部分入れ歯は、金属部分に汚れが付着しやすく、入れ歯の隣の歯の、虫歯や歯周病などの原因となることがあります。また、入れ歯に付着した細菌は、お口の中で義歯性口内炎などを引き起こします。口から呼吸器系へと侵入した細菌は、細菌性肺炎などの原因になり、さらに循環器系へと侵入し、菌血症などを発症する事もあります。からだの健康のためにも入れ歯は清潔に保ちましょう。

入れ歯の洗浄方法

入れ歯の洗浄方法ですが、毎食後にお口の中から入れ歯を外して、入れ歯専用の泡洗浄剤を適量つけます。そしてまんべんなく入れ歯専用のブラシで磨き、よくすすぎます。

そして、目に見えない汚れを入れ歯洗浄剤を使用し、毎日つけおき洗浄して除菌することを心がけましょう。また、天然歯用の歯磨き粉で入れ歯を磨くと歯磨き粉に含まれる研磨剤で、入れ歯にキズがついてしまいます。入れ歯にキズがつくと、細菌が繁殖しやすくなります。入れ歯をキズつけない為にも、天然歯用と入れ歯用の歯磨き粉は使い分けましょう。

入れ歯に長期にわたり蓄積したタバコのヤニや茶渋などは専用ブラシや洗浄剤でもなかなか落ちにくいものです。やすりなどで無理に取ろうとしたり、熱湯で消毒したりすると、入れ歯が破損したり変形する原因にもなります。無理に取ろうとせず、かかりつけの歯科医院できれいにしてもらいましょう。

「第23回 歯と口の健康フェア」開催報告

「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」 

■日時 6月4日(日)
■会場 イオンモール太田2Fイオンホール

今年も例年通り6月の歯の衛生週間に合わせての開催となりました。今年で23回目の開催となり、例年この時期の開催ということで市民の皆さんの間でもだいぶ浸透してきたように思います。

「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」

フェアの内容

○ミニ市民公開講座

・Hellow!Smiles キッズのわくわく矯正歯科治療 (伊谷野秀幸先生)

・歯周病って? (山口英久先生)

・丈夫な歯を作る食生活 (栄養士会)

・噛み合わせと健康 (歯科技工士会)

・むし歯のヒミツ知りたくない? (歯科衛生士会)

○歯磨き指導 フッ素塗布 (歯科衛生士会)

○位相差顕微鏡

○歯科相談

○歯型 (歯科衛生士会、歯科技工士会)

○骨密度測定 簡易血管年齢測定

○血圧測定 (看護協会)

○栄養相談 (栄養士会)

「歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~」

歯と口の健康フェア~歯っぴいライフで8020~

近年より始めたミニ市民公開講座は今やフェアの根幹をなすものとして定着し、今年も多くの方に耳を傾けてもらいました。その他各ブースとも例年通りの盛況で、市民の健康への関心の高さをうかがい知ることが出来ました。

来場者は屋外レジャー日和の好天にも関わらず1300名を超える方々に来ていただき、盛況のうちに終わることが出来ました。協力していただいた歯科医師会の先生方、歯科衛生士会、歯科技工士会、看護協会、栄養士会各会の皆さん、ボランティアの歯科衛生士学校の学生さん、引率の先生方、協賛していただいた企業の皆様、大変ありがとうございました。

(文責 太田新田歯科医師会 尾内正芳)

水分補給にご注意を

太田新田歯科医師会

橋本歯科クリニック

院 長 橋本 隆宏

 

「水分補給にご注意を」

ニュースでも季節外れの猛暑・・などと「水分をこまめに取って、熱中症を予防しましょう」と耳にするようになりました。

本格的な夏を迎える前のこの時期に大切な水分の取り方について考えてみましょう。現在、身体への吸収に優れた経口補水液やスポーツドリンクを目にしますが、それらを補給するための入口である「歯と口」に対する注意がされていないのが現状のようです。

まず、激しい運動などをしていない時の水分補給には、ミネラルウオーターやお茶類が一般的だと思われます。ところが、自動販売機やコンビニエンスストアには、常に新しい味や、パッケージで魅力的な飲み物が並んでいます。

特に、キャップを開ければすぐ飲めるペットボトルの飲み物が主流になりましたが、これらの中には糖分が含まれている物が多くパソコンなどのデスクワークの合間に、「ちびりちびり」と飲みながら仕事をすることは長時間、飴をなめていることと同じになり、お口の中にむし歯を発生しやすい状態に近づけてしまいます。もちろん適量の糖分は疲れた脳や身体には大切なものでもあります。

出来れば休憩時間や食事の後など決まった時間に取り、その後は必ず「歯磨き」をしてお口の中をリセットする必要があります。口の中には、ご存知の通り、唾液という歯や口の中を悪い菌などから守ってくれる優れたバリアーが存在します。

ところが、糖分が休みなくひっきりなしに口の中にあると、唾液は本来の力を発揮出来ずに、むし歯菌が糖分を利用して酸性物質を発生し、歯を溶かしてむし歯を作ってしまうのです。

次に炎天下の野外活動やスポーツの際ですが、水分だけで無くミネラル分の補給も必要になって来ます。

しかし、市販のスポーツドリンクの中には思ったよりも多くの糖分が入っており、出来れば源液を少し水で割って使用するなどの工夫が必要です。また、同時に熱中症予防対策用の飴もできればシュガーレスタイプを選びたいものです。

こまめな水分補給や熱中症予防対策が逆に糖分の取りすぎや、むし歯の発生につながらないように、身体のメンテナンスだけでは無く「歯と口」にも気を配りながら、この夏を乗り切りましょう。