予防が大切!

太田新田歯科医師会
とりやま歯科医院
院長 周藤 泰之

 

予防が大切!

皆さん歯医者に対してどのようなイメージをお持ちですか?

怖い・痛い・歯を削る時の音が嫌だなど、ネガティブなイメージを持っている人が多いと思います。自分たちが日常診療していても、「歯科恐怖症です」「歯医者が嫌いでずっと虫歯を放置していました」「治療が怖くて治療途中で歯医者に行くのを止めました」など、歯医者に対してネガティブなイメージを話してくる患者さんの声をよく聞きます。

では、なぜこの様なイメージになるのか考えてみました。多くの患者さんは治療しなければならない状態になってから受診するからだと思います。当然治療を行うには多少なりとも痛み・不快感などは付きものです。「治療にならない様に歯医者に行く」「自分の綺麗な歯を維持するために歯医者に行く」この様な考えになれば、歯医者のイメージは良くなると思います。すなわち、予防のために歯医者に行くと言う考えです。

日本では1年に1度でも歯医者に行く人は2人に1人と言われ、それも痛くなった時に行く人が大半と言われています。欧米と日本での歯科に対する認識の違いについてお話しすると、欧米の多くの国では歯科治療が自費もしくは自分で加入する保険で行います。なので、虫歯になると高額な治療費がかかります。歯1本根の治療から被せ物までで数十万円と言われています。なので、虫歯・歯周病にならない様に予防に力を入れる人が多いのです。日本は国民皆保険制度のため歯科医院窓口で支払う治療費は数百円~数千円で治療が受けられます。とても良い様に思いますが、これが日本人の歯科に対する意識の低さを生んでいるとも言われています。治療費が安価なため虫歯になって痛くなってから、歯周病で歯が揺れてから、などの症状が出てから歯科医院に行くと言う考えです。予防にお金をかける考えが少ないのです。しかし、治療は歯を削る・人工の被せ物や詰め物の不自然さ・歯を抜く・入れ歯の違和感などが生じる事があります。絶対に自分の歯に戻る事は出来ず自分の歯に勝るものはありません。

日本は先進国でありながら国民の予防歯科に対する意識では他の先進国よりかなり遅れています。予防すれば虫歯・歯周病にならない、ならなければ痛い怖い治療する必要がない、痛い怖いがなければ歯医者を嫌いにならない、そして何より歳を取っても自分の歯で何でも美味しく食事ができ健康でいられる。皆さん自身が予防を意識すれば良いことしかないと考えられます。子供のころから虫歯にさせない、もし治療が必要な状態になってしまっても予防の意識で定期的に歯科医院に通院していれば早期発見で最小の治療で終える事ができます。

歯医者を怖い所・嫌いな所・気持ち的に遠い所と思わず、かかりつけ歯科医院を見つけて予防の意識を大切にし、定期的に通院することをお勧めします。