洗口、うがいについて
太田新田歯科医師会
須藤歯科クリニック
須藤 福太郎
洗口、うがいについて
現在の全国的に新型コロナウイルス感染症の感染拡大がまん延している状況において、新しい生活様式の実践が提言されています。3密の回避、手指消毒洗口の徹底、ソーシャルディスタンスの確保などです。今回はその中の洗口、うがいについてお話したいと思います。
「うがい」の語源は、鵜に魚を飲み込ませてその後吐き出させる様子と似ていることから、「鵜飼」からきているとのことです。文献から、日本では少なくとも平安時代後期から行われていたことがわかっています。
うがいの効果としては、まず洗浄することにより、口腔内に付着している細菌やウイルスを体内へ排除することです。また、のどを適度に刺激し、粘液の分泌や血行を促進します。さらに、のどの潤いを保って異物を排出する線毛運動の活発にさせます。他に口臭の軽減や、誤嚥性肺炎の予防にも一定の効果があると考えられています。
うがいの手順
- 口に水を含み強くぐちゅぐちゅしながら洗い流す。(ブクブクうがい)
- もういちど水を含み上を向いて喉の奥まで届くようにうがいをする。(ガラガラうがい)
- 10~15秒ほどで吐き出し、二、三回繰り返す。
注意点
うがいの前に手洗いをする。ガラガラうがいは飛沫が拡散する恐れがあるので、周りに人がいない所で行う。飛沫を防ぐため優しく吐き出す。
うがい薬の使用
補助的に使用。消毒、殺菌に効果あるが、常在菌のバランスが崩れたり、粘膜が傷ついたりするため、使い過ぎは注意。最近出された東京歯科大学の先生の論文によれば、リステリン液がコロナウイルスに一定の効果があるとのことです。
緊急事態宣言が解除されましたが、コロナウイルスの脅威は依然として続いています。
自らを感染から守るだけでなく、自らが周囲に感染を拡大させないことを心がけ、一人ひとりの方が新しい生活様式に順応していただければと思います。