オーラルフレイルって知っていますか?
一般社団法人太田新田歯科医師会
やまぎし歯科医院
院長 山岸 理文
まず最初にフレイルって言葉を聞いたことがありますか?
高齢者は、健康な状態から要介護状態になるまでにフレイル(虚弱)という中間的な段階を経ていると考えられています。フレイルは身体的な問題だけでなく認知機能障害やうつなどの精神的な問題や独居や経済困窮などの社会的問題も含まれています。
フレイルの原因
○動くことが少なくなる
○社会的に交流する機会が減る
○身体機能の低下
○筋力低下
○認知機能低下
人生100年時代と言われている昨今ですが、出来るだけ長く健康でいたいと誰もが考えていると思います。しかし、人の加齢が進むにつれて徐々に心身の機能が低下していきます。
日本人の平均寿命 男性:81.09歳 女性:87.14歳 (令和5年)
日本人の健康寿命 男性:72.7歳 女性:75.4歳
約10年ほど日常生活に制限がある状態の期間があります。
健康を維持するために大事なことは、食事や運動に気を配ったり、生活習慣病にならないように気を付けることが代表的です。また多くの人が心掛けていると思います。そしてもう一つ大切なことが、フレイルの予防です。フレイルは、適切な治療や予防によって改善できます。
日本歯科医師会では、「8020運動」を推進してきました。80歳になっても20本以上自分の歯があれば食生活にほぼ満足することが出来ると言われている。
そして新たに取り入れられた考え方に「オーラルフレイル」の予防です。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは加齢による衰えのひとつで、食物を噛んだり飲み込んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりするなど“口”に関連する機能が低下しつつある状態のことを指します。
オーラルフレイルの症状は、具体的には、食べこぼし、飲み込むときのわずかなむせ、噛めない食品の増加、滑舌の悪化などです。
オーラルフレイルチェックリスト
オーラルフレイルの予防
噛む機能(咀嚼機能)が低下:
むし歯があったり、噛むと歯が痛い、ぐらぐらする歯がある、入れ歯があっていない
→ 噛めないことを歳のせいと諦めず歯科医院に受診し相談する。
飲み込む機能(嚥下機能)が低下:
食事中や食後にむせる。薬が飲みにくくなった。痰が増えた → 嚥下体操
口の渇きが気になる → 唾液腺マッサージ
正しいセルフケアを行う → 歯磨き・舌磨き・入れ歯をきれいにする。歯科医院で定期健診を受ける。
オーラルフレイルを予防して健康寿命を延ばしましょう!