もう一度考えてみませんか、お口のお手入れ
太田新田歯科医師会
岸歯科医院
院長 岸 隆史
もう一度考えてみませんか、お口のお手入れ
口は生きていく上で無くてはならない器官です。
呼吸をする、食事をとる、発音する…etc.これらの一つ失われても日々の暮らしには大きな影響が出てくるでしょう。
問題なのは、そうした大事な器官である口は「非常に危ういバランス」の上に成り立っているという事です。
口は絶えず外界と接しており、色々な刺激を受けています。また、温度、湿度、栄養といった微生物が生育するのに適した環境が整っています。形状も歯や舌などが複雑な形をしています。
日々の暮らしを健康で過ごす為には、この口という器官を大事に手入れしてあげる必要があります。それが「口腔ケア」なのです。
「口腔ケア」といっても広義と狭義の意味があります。
多くの方が「口腔ケア」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「歯磨き」や「うがい」、一歩進んで「歯医者さんで歯石を取ってもらう」位だと思います。正解です。しかし、これは「口腔ケア」においては「狭義」に当たります。口腔内清掃は口腔ケアにおいてまず踏み出す第一歩です。では何故、口腔内清掃が必要なのでしょうか?これが「広義」の意味をもつ「口腔ケア」へと繋がります。簡単に言ってしまうと「微生物からの感染予防」「口腔機能の維持」、これが「口腔ケア」の本質であり目的です。
箇条書き的に挙げていくと…
- 虫歯や歯周病の予防
- 口腔疾患(口内炎やカンジダ症)の予防
- 口臭の予防
- 誤嚥性肺炎の予防
- 全身疾患(心筋梗塞、糖尿病)の予防
- 食欲増進
- 摂食嚥下の維持
- 発音、構音によるコミュニケーション
- 唾液分泌促進
- 味覚の維持
- 対人関係、見た目の維持
- 全身のバランス
- 認知機能向上
我々、歯科医師や衛生士は皆さまの健康維持の為にこういった「口腔ケア」のお手伝いは出来ます。あくまで主体は皆さま自身になります。
日々の生活を豊かに、そして健康的に過ごす為に毎日の「口腔ケア」を心掛けてください。