CAD/CAM冠って何?

太田新田歯科医師会
とちはら歯科
院 長 鎌田 政善

CAD/CAM冠って何?

CAD/CAM冠(白いかぶせもの)は2014年4月から上下顎左右小臼歯(上下顎の4番目と5番目にある小さな奥歯)に保険適用され、さらに2017年12月から下顎左右第一大臼歯(下あごの小さな奥歯の隣にある6番目の大きな奥歯)に保険が適用されることになりました。ただし、7番目の大きな奥歯が4本あって、しっかりかみ合っている場合にのみ適応となります。なお、金属アレルギーの方(医師の診断書が必要)は、全ての奥歯に保険適応となっています。

【CAD/CAMとは?】

CAD(Computer-aided-design)は、削った歯の形をコンピューターで計測して、その形状データーを入力データーとして歯(かぶせもの)の形を図案化し、加工用のプログラムを作成します。次に加工用プログラムを加工機であるCAM(Computer-aided-manufacturing)でブロック材料を削って歯(かぶせもの)の形を作るといったコンピューター上でのシステムのことを言います。

簡単に言うと、コンピューターで計測し歯の形を図案化し、コンピューター制御された加工機で歯を作るといったシステムのことです。

【CAD/CAM冠の良いところ】

健康保険では従来から金属冠(銀歯)が一般的に用いられてきました。また、部分的に硬質レジンジャケット冠といって白いかぶせものも保険適応となっていました。

しかし、銀歯は強度はあるものの見た目が悪く、ジャケット冠は見た目は良いが強度・適合性でやや劣るといった状況でした。そこで先進医療から生まれたCAD/CAM冠は材料にハイブリッドレジンといってレジン(プラスチック)とセラミックスを合わせたブロックを用いることで、強度も向上し、コンピューターで製作することにより適合精度も向上しました。

また、コンピューターで設計、製作しますので、模型ができてから2時間程度で出来上がるといった時間が短縮されるところが良い点と言えます。全く金属を用いていませんので、金属アレルギーが心配な方にも安心してご使用いただけるかぶせものです。

【CAD/CAM冠を保険で装着できない症例】

前述しましたが、上顎左右第一大臼歯と上下顎左右第二大臼歯は保険適応外です。ただし、自費診療では装着することができます。また、小臼歯では歯冠の高さが低い場合や部分入れ歯のバネがかかる場合などは割れたり、はずれたりする可能性が高いので、装着できない場合があります。

咬む力が過度に加わる場合も破折の原因になりますので、装着できない場合があります。

したがって、下顎第一大臼歯も過度な咬合力がかからないことが条件となります。歯の状態により適応されない場合がありますので、詳しいことは歯科医院でご相談下さい。