1. はじめに

介護保険制度が施行され5年目を迎かえ、見直しの論議が進んでいます。
その際の見直しの基本的視線として
「制度の持続可能性」
「明るく活力ある超高齢化社会」
「社会保障の総合化」
の3点が検討されています。
そこで、高齢者の心身機能、活動、参加といった生活機能の低下を予防して、要介護状態に陥らない、
あるいは状態が悪化しないようにすることを重視する「予防重視型システム」への切り替えが求められています。
特に、「明るく活力ある超高齢化社会の構築」においては、「食事」への問題提起がなされ、
「口腔機能向上」が「介護予防」のための新たなるサービスとして検討されています。
口腔機能向上によって十分な食事量を確保し、「低栄養」の防止に役立てる。
また、「誤嚥」や「窒息」を予防し誤嚥性肺炎や不慮の事故を防止することを目的としています。
さらに、口腔衛生の自立や清潔度の改善は口臭の予防や味覚の改善、
誤嚥性肺炎など気道感染の予防に寄与することが期待されています。
これらは、高齢者のQOLという観点からも重要な課題と考えられています。