太田新田歯科医師会について

一般社団法人太田新田歯科医師会
ツイヒジ歯科医院
院長 對比地 悟

太田新田歯科医師会について、説明をいたします。

その名称は正確には一般社団法人太田新田歯科医師会といい、太田市及びみどり市笠懸町に在住あるいは勤務する歯科医師または歯科を有する病院等により構成されます。会員数はおよそ120名です。

その活動は以下の様になります。

1.市民公開講座

毎年、11月もしくは12月上旬の日曜日に太田市学習文化センターなどで 、講演会を行います。例えば、昨年は「オーラルフレイルを考えてみましょう」というテーマで足利赤十字病院の先生にご講演をしていただきました。

2.歯と口の健康フェア

6月の最初の日曜日にイオンモール太田にて、行っています。市民へ様々な歯科保健情報を提供しています。その内容は、

    • 歯科相談・歯みがき指導とフッ素塗布・手の指の型取りと石膏模型の製作・歯の表面 のプラークを採取し、顕微鏡で観察 など。

3.歯科保健情報発信事業

毎月第3火曜日の午後1時20分頃からエフエム太郎に出演し、歯科に係る様々な情報を提供しています。

4.母子保健事業

1歳6か月児、2歳児、3歳児健診を保健センター等で行っています。

5.太田市学校保健事業

市内の小中学校・高等学校では毎年、春に歯科健診を、また小中学校では歯と口の健康に関する図画・ポスターコンクールや標語コンクールを行っています。
太田市のすべての小中学校で歯科衛生士による講話やブラッシング指導を行っています。

6.歯周病健診

太田市・みどり市からの依頼により歯科医院での歯周病健診を行っています。

7.妊婦歯科健診

太田市・みどり市からの依頼により歯科医院で妊婦の歯科健診を行っています。

8.休日歯科診療

日曜日・祭日・お盆休み・年末年始に、新井町にある太田新田歯科医師会館で急性症状のある患者さんの応急処置として、休日歯科診療を行っています。

9.群馬県後期高齢者歯科健診

75歳になった方を対象に、歯科医院で歯科健診を行っています。患者さん本人の費用負担はありません。

10.障がい者施設歯科健診

太田市内の群馬県立特別支援学校や障がい者施設におもむき、歯科健診を行っています。

今後とも一般社団法人太田新田歯科医師会をよろしくお願いいたします。

歯の生える薬ができる?

一般社団法人太田新田歯科医師会
尾内歯科医院
院長 尾内正芳

 

最近のニュースで歯の生える薬が開発中というのが話題になりましたが、みなさんはお聞きになりましたか?

歯は骨などと違って基本的には再生しません。

また一度抜けてしまった永久歯はサメやワニのように新しく生えてくることはありません。

これは歯を作る細胞や組織が永久歯を作り終えた後、退化してしまい機能しなくなるからです。

これには私たちの細胞に組み込まれている、ある遺伝子が関係していると言われています。

そこに目を付けた京都大学発のベンチャー企業は、この遺伝子の働きを阻止する中和抗体を開発し、マウス等の実験で歯の欠損した部分に歯を生やさせることに成功しました。

現在は人への応用の準備段階とのことで、まずは遺伝的に多くの永久歯が欠損している先天性無歯症、ついで部分的に欠損している部分無歯症、最終的にはむし歯や歯周病などで後天的に欠損した部分にも応用できるように考えているとのことです。

もっとも今年にもヒトに対する安全性試験を実施した後、来年からまずは先天性無歯症に対する治験を開始、本格的な実用化は2030年予定とのことですので、むし歯や歯周病などによる後天的な欠損への実用化はまだまだ先と言わざるを得ないでしょう。

それでも非常に夢のある話ではありますので、私たちは次世代の人たちが歯の欠損に困ることなく暮らせる時代が来ることを願いつつ、日々のお口の中のお手入れを怠らないようにしたいものです。

令和6年 第30回 歯と口の健康フェア ~歯っピーライフで8020~

一般社団法人太田新田歯科医師会

公衆衛生委員会担当理事

MK歯科クリニック 院長 増田康展

 

令和6年 第30回 歯と口の健康フェア ~歯っピーライフで8020~

 

太田新田歯科医師会では、「6月4日 むし歯予防デー」にちなみ6月2日(日)イオンモール太田2Fイオンホールにて、午前10時から午後3時まで「歯と口の健康フェア~歯っピーライフで8020~」と題し、市民の方々への歯科情報の提供、口腔ケアに対する意識の向上をして頂く事を目指したイベントを開催します。

今回で30回目の開催となる「歯と口の健康フェア」ですが、昨年はコロナ禍の為4年ぶりに規模を縮小して開催致しました。今年は感染対策に留意しながらもコロナ前のような活気のあるイベントにしたいと思っております。また、太田市内の小中学生を対象にご応募いただいた歯科保健啓発図画ポスター標語コンクールの優秀作品の展示会も兼ねております。

 

今回の内容は

  • お口の中のバイキンを見てみよう(位相差顕微鏡)【太田新田歯科医師会】
  • 歯科相談【太田新田歯科医師会】
  • フッ素を塗って丈夫な歯、歯みがき指導【群馬県歯科衛生士会東毛支部】
  • 指型とり体験【太田歯科技工士会】
  • 子供向け釣りゲーム【太田栄養士会】
  • 血管測定・体脂肪率測定・介護相談・健康相談【群馬県看護協会太田地区支部】
  • 健康寿命延伸に関する事(フレイル予防・減塩・クイズなど)【太田地区・職域連携推進協議会】
  • 「歯科保健啓発図画ポスター標語コンクール」優秀作品展示【太田市教育委員会、太田市学校保健会・太田保健福祉事務所】

 

ミニ市民公開講座

11:00 歯科訪問診療って? 【太田新田歯科医師会】

11:30 人生健康でいられるためには?  ~健診から始まる歯科との付き合い方~ 【太田新田歯科医師会】

13:30 歯の栄養の紙芝居【太田栄養士会】

14:00 口腔ケア新商品紹介【 グラクソ・スミスクライン・コンシュウマー・ヘルスケア・ジャパン(株)】

このフェアを機に、歯と口の状態に関心を持っていただき、日頃の口腔ケア、健康管理に役だてて頂ければ幸いです。入場は無料でご来場の方々にはプレゼントもご用意しておりますので、ぜひお越しください。

誤嚥性肺炎と入れ歯の清掃について

一般社団法人太田新田歯科医師会
医療法人社団 聖医会 田中歯科医院

田中 靖人

#1 誤嚥性肺炎とは疾患や加齢により、ものを飲み込む機能が低下し、口から食道に入るべきものが気管に入ってしまい引き起こされる肺炎を言います。唾液や食べ物、胃液などとともに細菌を気道に吸引することで起こります。飲み込む機能が低下した高齢者や脳梗塞後遺症、パーキンソン病などの神経疾患、寝たきりの患者さんに多く発生します。誤嚥性肺炎は発熱や咳、膿のような痰などの典型的な肺炎の症状が少なく、何となく元気がない、食欲がない、のどがゴロゴロするなどの症状のみが多いことが特徴です。

しかし、#2 誤嚥性肺炎は我が国の死亡原因の6位になるおそろしい疾患です。

この、誤嚥性肺炎の予防には
①禁煙
②摂食嚥下リハビリテーション
③口腔ケア
④肺炎球菌ワクチンの接種

がおこなわれます。

誤嚥性肺炎の予防の中で口腔ケアの一環として行われる、今からできる入れ歯の清掃についてお話します。

もし今、これをお聞きの方で入れ歯を装着している方がいらっしゃいましたら、入れ歯を外して触ってみてください。もし、ヌメヌメしているところがあれば要注意です。

#3 入れ歯のヌメヌメは細菌が集まってできたバイオフィルムであり、台所や風呂場の排水溝のヌメヌメと同じものです。このヌメヌメが口の中に入っているだけでなんだか病気になりそうです。このヌメヌメは洗い流すだけではなかなか取れず、こすり洗いが必要です。

#4 正しい入れ歯の洗い方は、入れ歯用のブラシと入れ歯用の歯磨き粉でこすって汚れを落とします。通常の歯磨き粉は研磨剤の影響で、入れ歯がすり減ってしまうので使わないでください。こすり洗いの後に入れ歯洗浄剤でつけおき洗いをします。一晩、つけおき洗いののちに、入れ歯を流水下でよくすすぎ、口の中に装着します。

#5 口の中が不潔になっていると認知症が起こりやすくなることが最近の研究で明らかになってきています。下着も一日一回は着替えて洗濯するでしょう。ぜひ入れ歯も毎日きれい洗い、清潔の口を保ち、健やかな日々を過ごしていただければと思います。

入れ歯の汚れがたまっていて、なかなかきれいにならない、ヌメヌメが落ちずに心配な場合は、かかりつけ歯科医院にご相談ください。太田新田歯科医師会では訪問診療を行っています。ご来院が難しい方はご相談ください。

 

#1 一般社団法人 日本呼吸器学会

#2 厚生労働省

#3 大阪市立大学大学院医学研究科 細菌学

#4 公益社団法人 日本補綴歯科学会

#5 神奈川県歯科医師会

定期的に歯医者さんに行っているのにむし歯が出来てしまう?

一般社団法人太田新田歯科医師会

尾島デンタルクリニック

理事長 林崎 雅樹

 

定期的に歯医者さんに通うことや予防歯科はとても大切で、痛くなったり何か困ったことがあるときだけでなく定期的に通うことがとても大切です。

今回はその上でよく聞く誤解を少し解こうと思います。

定期的に検査やメインテナンスとして通っている方がむし歯が出来てしまったり歯周病が悪化してしまうこともあります。

それに対して「歯科医院に通っているのにむし歯になるのはおかしい」「ちゃんと診ていないのではないか?」などとおっしゃる方もいます。

確かに歯医者も「予防歯科は大事です」「定期的に歯医者に通ってむし歯にならないようにしましょう」という話もするのでお気持ちはわかります。

ですが、そもそも「毎年の健康診断を受けるだけで、全く病気にかからないと思いますか?」とお伝えしています。検査は検査であり、今どのような状態かを知ることが目的です。 健康診断で糖尿病と言われて食事指導を受けた人が気にせずに1年間好きな物を食べ続けた場合、1年後に治っているでしょうか?悪化している可能性が高いですよね。

歯科医院によって歯石の除去なども含めていわゆる「クリーニング」と呼ばれる予防歯科につながることをしてもらっている方も多いと思います。

ですが、仮に3~4カ月に一度歯科医院でケアをしていたとしても、当たり前ですが、30分~60分の歯科医院の処置で3~4カ月間のむし歯が出来ないという保証は不可能です。たった30分~60分で3か月(=44,600分間)のむし歯菌を抑えることは出来ません。

普段の歯磨きもですが、普段の食生活にも大きく左右されます。

特に子どものむし歯は砂糖の摂取量やタイミングに大きく左右されるのはもちろん、乳歯や生えたばかりの永久歯は柔らかく、数カ月で一気にむし歯が神経まで進むことも珍しくありません。

当たり前ですが、むし歯の治療をしても子どもが1日に飲むジュースの量やお菓子の量が治療前と変わらなければ、すぐにむし歯は再発します。

食生活や歯磨きの仕方、歯並びなど人によってリスクも様々です。定期的に歯医者さんに通ったらむし歯にならない、歯磨きをちゃんとしているからむし歯にならないなどの簡単な話ではないからこそ、私たちお口のプロである歯科医師がいます。

定期的にかかりつけの歯医者さんに通うことはもちろん、ご自身のお口の状態とむし歯や歯周病にならないための方法を相談してみてください。