歯並びを悪くする原因はなに?
太田新田歯科医師会
自立支援医療機関 顎口腔機能診断施設
ファミリー歯科・矯正歯科クリニック
院長 伊谷野 秀幸
歯並びを悪くする原因はなんでしょうか?歯並びの悪くなる原因は、大きく分類して後天的な原因と遺伝的な原因に分けられます。今回は後天的な原因についてお話させていただきます。後天的な原因の一つは成長期に虫歯ができてしまい早期に歯が抜け落ちてしまうことが考えられます。
残っている歯が横に傾いてしまい永久歯が出てくるスペースが無くなり、歯がバラバラに並んでしまいます。また、永久歯が早く出てきてしまっても同様な現象が起こってしまいます。もう一つの原因は悪習癖です。
子どもの歯並びを悪くする原因には、口に関する癖が影響している場合があります。どのような癖が歯並びやあごの成長に影響してくるのかについてご紹介します。
思い当たる症状がある場合は矯正専門医院を受診して相談してみましょう。
・指しゃぶり
指しゃぶりは3歳くらいまでは誰でも行うものです。小学校にあがっても指しゃぶりが残っている時は要注意です。この時期は永久歯の前歯も生えてくる時期で、歯並びに影響してしまいます。顎の発育にも影響を及ぼし、骨格性の不正咬合も誘発してしまいます。
症状:上顎前突症(出っ歯)、下顎前突症(反対咬合)、開咬、交叉咬合など
・舌癖(ぜつへき)
舌の使い方が悪いと舌が歯を強く押して、前歯の突出が起こってしまいます。また、顎の成長に影響を与えることがあります。
症状:開咬、上顎前突症(出っ歯)、骨格性下顎前突症(反対咬合)など
・咬爪癖(こうそうへき)
爪を咬む癖も歯並びを悪くする一つです。
爪を咬むことで、咬みこむ歯に力が強く加わり歯が動いてしまいます。
症状:上顎前突症(出っ歯)、過蓋咬合、叢生(らんぐい歯)など
・咬唇癖
唇をかみ締める癖も歯に部分的に強い力が加わり不正咬合になってしまいます。
咬唇癖があると歯並びが悪くなるだけではなく、下顎の成長にも影響を与えます。成長期の子どもで、いつも下唇癖があると下顎の成長不良を起こしてしまいます。
症状:上顎前突症(出っ歯)、過蓋咬合、叢生(らんぐい歯)、開咬など
・頬杖
頬杖を長時間していると頭の重さで、下顎が変形してしまい上下の咬みあわせにズレが生じてしまいます。外科的に手術を行って改善しなければならない場合があります。
症状:顎変形症など