歯科健診で歯の病気早期発見

太田新田歯科医師会

おおたモール歯科
八木 大輔

私たちの平均寿命は伸び「人生100年時代」といわれるようになりました。口の中の健康は健康寿命に大きく関係しています。ある研究によると歯の数と認知症の関係性が確認されています。歯を失うことで脳への刺激が減り、残っている歯が少ないほど認知症のリスクが大きくなるという結果も出てきています。また、歯は食べ物を噛み砕くためだけのものではなく、会話の発音を助けたり顔の表情をつくるなど日常生活に必要な役割を持っています。歯を1本でも失うと食べ物が食べづらかったり噛みづらくなるだけでなく体全体にも影響が出てきます。

そう考えると、健康寿命を延ばして自分の歯をいかに1本でも多く残せているかということと、残っている歯がどれくらい健康な状態かが重要になります。そして、歯の健康を維持する上で影響を与える病気が歯周病です。

歯周病は歯茎が炎症してしまう病気で30代以上の方ですと3人に2人は歯周病をもっているといわれており、歯に悪いだけでなく、炎症した歯茎から細菌が身体に入り込み、血管を通じて全身に悪さをします。

それにより糖尿病・高血圧・脳梗塞・認知症などの病気を引き起こしやすくなるということが分かっています。

1日でも長く健康な歯を維持するために、歯のトラブルを早期発見・早期治療を行うことが重要で、そのためには歯科検診を定期的に受けて、小さい虫歯のうちに治療すれば、痛みが出てから治療するより治療回数・治療費も最小限に抑えることができます。

また、歯が健康な人は生涯にかかる医療費が虫歯のあるかたよりも低いという報告もあります。

乳幼児から高校生までは毎年歯科検診が義務づけられているため歯の病気に気づくことができますが、成人になると歯の健診を受けられていない方が多いといわれております。

しばらく歯医者さんに行っていない人は歯の痛みや違和感がなくても一度お近くの歯科医院にご相談してみてはいかがでしょうか?