オーラルフレイルについて

太田新田歯科医師会
尾島デンタルクリニック
院長 林崎 雅樹

オーラルフレイルについて

【オーラルフレイルとは】

「オーラルフレイル」は、「オーラル(お口の)」「フレイル(弱い)」という言葉が表す口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つです。

高齢者のささいな口腔機能の低下(滑舌低下、食べこぼし、わずかのむせ、噛めない食品の増加)による、虚弱や老衰など介護が必要となる一歩手前の段階をいいます。

【こんな時に要注意】

□噛めない食べ物が増えた

□滑舌が悪くなったと言われる

□食べこぼしが増えた

□飲み物などでむせるようになった

□口が乾燥しやすくなった

などの口腔機能の軽微な低下や食生活の偏りが初期サインとなります。同居しているご家族の方はもちろん、施設に入居している方の場合は施設の方が早めに気づくことが大切です。

オーラルフレイルは、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。つまり、早めに気づき適切な対応をすることで健康に近づきます。

【放置すると】

オーラルフレイルを放置すると、「歯の喪失→かむ能力の低下→かめない、飲み込めない(摂食嚥下障害)→低栄養→身体機能の低下→要介護・寝たきり」という経過をたどることがあるため、早いうちから対策を行うことによって、歯や口の機能低下を予防することが重要です。

【どうすれば?】

ご自身や周りの方が出来ることとして、お口の中を清潔にすることはもちろんとして、「口周辺の筋肉を強くする運動」「マッサージ」などがあります。

運動に関しては舌のストレッチや頬を膨らましたりなどで、マッサージに関しては唾液腺の分泌をよくするマッサージです。

そしてご家族の方や施設の方も悩まずに、かかりつけの歯科医師に相談することをおすすめいたします。