親知らずの話

栗原章仁(クリバラアキヒト)
栗原歯科医院 ℡0276(52)0025

みなさんこんにちは、今日は親知らずのお話をさせていただきます。

ご存知の方も多いと思いますが、親知らずとは第三大臼歯のことで、智歯ともよばれていて、前から数えて8番目の歯になります。
大人になって生えてきて、親が知るよしも無いので、こんな名前が付いたみたいですね。
人によっては全く無いケースや、上だけとか左右どちらかだけ生えてくるとか、いろんなパターンがありまして、
ちゃんと正しく生えてくれれば問題ないのですけど、最後に生えるので往々にして並ぶべきスペースが狭いいため、斜めに生えたり、真横になったまま顎の骨の中にとどまったままになりがちです。

よく問題になるのはたいていの場合下あごの親知らずでして、しっかり生えてこないと、ときどきその周辺の歯肉や骨が炎症を起こし、うずいてきます。
いわゆる智歯周囲炎です。軽い症状のうちに歯科医院に行って抗生物質なり処方してもらい、
薬で抑えられればよろしいのですが、そのまま放置すると次の段階へ進み、周りの歯肉が腫れたり膿が出たりして、痛みも強くなってきます。
顎の動きが規制されることで口が開きにくくなり、ここまで来ると消毒や薬による治療をしても、症状がおさまるまで、2,3週間かかることもあります。

治療としては消毒や洗浄して薬を投与し、症状が落ち着いたところで、症状を繰り返す前に抜いてしまえば、それ以降症状は出にくくなります。
まれですが、最悪の経過をたどると筋肉と筋肉の隙間から顎の下の筋肉へ入り込み、さらには喉や首、そして胸の周辺にまで及ぶと、命にかかわる問題になりかねません。
夏場の暑い時期はみなさん体調を落としがちで、体の抵抗力が下がっているので、親知らずの症状が悪化しやすい季節です、症状が出たら早めに対処するのが得策です。

妊娠中の女性の方も親知らずの症状が出ても、赤ちゃんがおなかの中にいるから、薬は飲みたくないということで、そのまま放置して、重篤になってしまうケースも時々見受けられます、
症状が出そうな親知らずがお口の中にある場合、妊娠前に処置しておくのが望ましいですね。

以上、親知らずの話でした、ありがとうございます。