唾液の働き
太田新田歯科医師会
岸歯科医院
院長 岸 隆史
唾液の働き
健やかな生活習慣には身体の健康が第一です。日頃の生活習慣、食事、運動と気に掛ける事は多々あるかと思いますが、今日はその中でも身近な口の中の事、「唾液」についてお話しようと思います。
「唾液」はただ口の中を濡らしているだけではありません。様々な能力で健康を守る続けるボディーガードなのです。
まず簡単に「唾液の役割」について述べていきます。
唾液の作用には…
「1:自浄作用」食べ物や口の中を洗い流す
「2:抗菌作用」細菌の侵入、増殖を抑える
「3:消化作用」消化酵素の力で食べ物を分解して消化しやすくする
「4:粘膜保護作用」口や喉が傷つかないように保護する
「5:緩衝作用」食後、酸性に傾いたpHを中和する
「6:再石灰化作用」飲食で溶けかかった歯を修復する
「7:潤滑作用」発音や発声をスムーズにする
…大きく分けてこの7つがあります。
これらの機能が十分に発揮される事により生活習慣にも、また免疫機能や運動機能も促進され健康寿命が延びていきます。
唾液は年齢や薬物の使用によって分泌量が変わってきます。「口が渇きやすい」「食べ物が飲み込みにくい」「口の中がヒリヒリする」等、感じられたら歯科医院で相談してください。
食前に軽くマッサージをするだけでも分泌量は増加します。
1:指数本を頬(耳の前)に当てて、10回程円を描くようにマッサージする
2:顎の下の軟かい部分を両手の親指で顎の骨に沿って5回程マッサージする
人間は「食べる事」で健康を維持し、日々の生活を営んでいきます。
その最初の入り口である「口」を清潔に保つ事が、全身すべてを守る事になります。日頃の歯磨き、定期的な歯科受診で生活習慣病から防いでいきましょう。