くいしばりの「くせ」がありませんか

太田新田歯科医師会
橋本歯科クリニック
院長 橋本 隆宏

くいしばりの「くせ」がありませんか

突然ですが、あなたのお口の中で今、上の歯と下の歯はくっついていますか?

それとも離れていますか?

こんな質問、聞いた事も、された事も無いと思います。

食事をするために、歯というものは、上の歯と下の歯が常にぶつかり合って、当たっていて当たり前と思われがちですが、強すぎて余計な咬み合せによって、時には大切な歯を割ってしまったり、しみたり、挙句の果てには頭痛や肩こりなどの体調不良で引き起こしてしまう原因にもなってしまうのです。

この余分な咬みしめはT・C・H(トゥ―ス・コンタクティング・ハビット)と呼ばれ、過剰な歯の接触や咬みしめをしてしまう「くせ」を意味します。

このくせは、皆さんが無意識に、何かに集中している時や、緊張している時に起こることが多いとされています。

この「くせ」が自分に起きているかを、自分で手鏡1つで判断が出来ます。

頬の内側の粘膜に、歯ならびと平行に線状のもり上がりが出来たり、べろの横に、ちょうどカンをカン切りで開けたフタのギザギザの模様が付いたり、歯の上の部分がテーブルの様に平らになっていたり、下あごの内側(べろ側)や、上あごの中央に硬いコブの様な骨の出っぱりが出来たりと、症状が様々ですが、お口の中は、ご自分の目で確認する事が出来ます。

是非、歯科医院に通院の際には、くいしばりのくせが有る無しを確認してもらうと良いでしょう。

では、対処法ですが、夜間の睡眠時のくいしばりや、歯ぎしりには、樹脂で作ったいわゆるマウスピ―スを装着してもらいます。

日中の意識の有る時間帯では、緊張又は集中しているであろう場所、たとえばパソコンの画面横などに「力をぬいてリラックス、深呼吸」などの書いた「付せん」や「貼り紙」をして、起きてしまう「くいしばり」を未然に防ぎます。

また、起きてしまっていたら、肩の力を抜いて、深呼吸して上下の歯を離して、リラックスします。

これをくり返しているうちに自然と、無意識のうちに歯を離す事に慣れてきます。

ストレス解放のために、歯ぎしりや、くいしばりがされているのは、なぜなのかは解明されていませんが、大切な歯を守るためにどうか参考にしてみて下さい。